改名は功を奏した。人気ナレーターとして『ちびまる子ちゃん』『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)の“声”を代名詞に活躍したが、『ポツン―』の最後のナレーション撮りが終わると、50年にわたる声優生活に別れを告げる。
「ここまでできたことは不思議さと感謝しかないですね。才能でもないし、声がいいわけでもない。結局は出会いと運がよかったとしかいいようがない。自分で努力したことをあえていうなら、粘り強く途中でやめなかったことだけです」
“キートン節”が聞けなくなることを寂しく思うファンには、
「申し訳ない。でもCDやDVDで声は残るので勘弁してほしい」
人生の後片づけと第3の人生を充実
今後楽しみにしている野菜づくりのほかには断捨離をするという。
「モノがありすぎるので、すっきりさせたい。寝たきりになってからでは何もできないので、動けるうちに自分で判断したいです。今の僕にとって大事なことは人生の後片づけ。それには時間がかかると思っていて、とりあえず1回ゼロにしないとわからない。
子どもや孫には“何でやめるの?”と言われます。でも僕のこれからの時間の過ごし方は理解されないかもしれないけど、それは死んだ後にわかってもらえればいいし、子どもたちへの教育です」
そして、セカンドではなく、第3の人生に思いをめぐらしている。
「独身時代、子育て&仕事の時期があって、これからは第3の人生。そこがいちばん短いと思うし充実させたい。最後はそこが大事で幸せが決まる。昔はよかったとは言いたくないから、今がいちばんと言えて逝けたら人として生涯現役でいられたことだと思います」
新たな“人生へつづく!”に気持ちは前向きだ。
3月28放送『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ系日曜夜6時~)
「ある春の一日」
【あらすじ】ある春の日。夜桜会のことを聞いたまる子。翌日、さくら家も夜桜会に行くことになったのだが、朝から次々に起こる不運。これは出かけるなという知らせ……? はたして、夜桜会には行けるのか?