木村家が住む区だけでなくさまざまな区のHPには、昨年から《ハクビシンやアライグマによる被害を防ぐために》と、タヌキとよく似た小動物による被害報告をあげ、注意を呼びかけている。見た目がタヌキとも似ていることから、木村が遭遇した3匹にはハクビシンやアライグマも含まれていたとも考えられる。後者は特に気性が荒く凶暴のようだ。
被害報告を行う区の環境保全課に話を聞くと、タヌキは在来種であることから駆除の対象とはしておらず、あくまでも外来種であるハクビシンとアライグマを対象に駆除・防除を実施しているとのこと。
具体的な被害として「自宅の庭やベランダ、屋根裏などに糞をされている」「庭木の果実が食べられている」「飼っている金魚を食べられた」と、やはり敷地内への侵入が目立つようだ。区では被害を受けた住民の申し出を受け、
「“箱わなの設置や回収に立ち会うことができる”、“箱わなの毎日の見回りとエサの付替えができる”などの要件を満たすことを確認した上で、区が委託した専門業者を紹介し、専門業者が現地調査の後、箱わなの設置や捕獲した場合の駆除を行っています」
防除事業の実績として、令和2年度(令和3年2月末まで)は相談件数221件、箱わな設置数118件、ハクビシン捕獲数28頭、アライグマ捕獲数1頭の計29頭とのこと。
絶対に近づかないで
では、実際に街中でハクビシンやアライグマを含めた、タヌキと思われる動物を見かけた場合にはどのような対処をすればいいのか。
「見つけた時の対処について区民の方から問い合わせがあった場合は、近づくことやエサを与えることは絶対にしないようにお願いしています。また、自宅などに実際の被害はなく、見かけただけの場合は、対応ができないこともお伝えしています」
木村が見かけた“タヌキさん”が実害をもたらしているとは言い切れないが、それこそ病気を持っている場合もある。家族や愛犬を守るためにも、あまり刺激しない方が賢明なのかもしれない。