「最初、監督と打ち合わせしたときに、つかみどころのない感じにしようという話になったんです。そこから、慶喜にいろいろな葛藤がある中、“もしかしたらこのまま本当に将軍にならないんじゃない!?”というくらいの力の抜けた感じを狙って演じています(笑)。とても面白い役どころだなって思いますね」
『青天を衝け』で徳川最後の将軍となる慶喜を演じ話題を呼んでいる草なぎ剛。大河ドラマは『新選組!』以来17年ぶりとなるが、本格的な出演は今回が初めてとなる。
「セットも豪華で、出演者もスタッフも多くてすごいですよね。馬もCGじゃなくて本物をスタジオに入れて撮影したりするので、スケールが大きいなって思います。その中で、自分も負けないように、しっかりとした心持ちで薄っぺらくならないよう頑張っています。
SNSとかで僕のファンのみなさんがすごくいい慶喜だって言ってくださっているのは、とてもうれしいですね。だから、“#青天を衝け”でエゴサーチしています(笑)」
その日、その現場を精いっぱい演じたい
豪華な共演者に囲まれ、芝居を一緒にできることが日々楽しいそう。
「とてもみなさんよくしてくださって。堤(真一)さんとは、舞台『K2』とか何度かご一緒させていただいて。久しぶりで緊張しましたが、円四郎と慶喜との関係性は、いままで堤さんと培った時間を反映できたかなって感じがします。竹中(直人)さんとは今回が初めて。“草なぎくんが本当に俺の息子に思えてきた”っておっしゃってくれて、すごいうれしかったです」
主人公・栄一役の吉沢亮とは今回が初共演。
「とても純粋なオーラが漂っていて、身体もすごいしっかりしていて。イメージだと細い感じかなと思ったんですが、体幹がすごくしっかりしていて、そこからあふれるエネルギーはまさに栄一にぴったりだなと思いました。
高良(健吾)くんもそうですが、若いフレッシュさと、堤さんや竹中さんたちベテラン陣に僕はいい感じにサンドされて、現場はとても楽しいですね」
この先、将軍となりさらに激動の時代を生きていく慶喜をどう演じていくのか。
「これまでどおり演じていれば自然となれるんじゃないかと思います。変に気負って、急に本番で“私が将軍です”とかやったら、“あれ、急にどうした”ってなっちゃうので(笑)。物語がすごく自然でしっかりしているので、台本どおりに演じていければいい感じに演じられるのではと思います。明治維新とか激動のシーンはたくさんありますが、その流れに自然とのまれていって、その日、その現場で精いっぱい演じていければと思います」
これぞ大河ドラマ!
「慶喜を演じて思ったのが、どんどん亡くなって共演者の方が撮影に来なくなっちゃうのが寂しくて。この前は円四郎が亡くなったから堤さんが来なくなっちゃったり。でも、それだけいろんな争い事があったと思うと、当時は大変な時代だったなと思いますし、めまぐるしい展開が続くのが大河ドラマなのかなって改めて感じましたね」