『24時間テレビ』はスターグループへの“分岐点”
リーダーの岸優太は、震災から10年が過ぎた福島ロケを実行。TOKIOと福島での米作りに挑み、復興の想いにふれるという。さらに『24時間テレビ』恒例のマラソン企画「復興への想いを繋ぐ 募金リレー」の第一走者を務め、五郎丸歩、荒川静香ほか7人につなぐ大役を担う。
その他では、高橋海人がくまモン生みの親である水野学とタッグを組んだチャリTシャツは、どれくらいの売上を得られるのか。神宮寺勇太が黒柳徹子の特別授業とアレックス・ラミレスファミリーの密着ロケ、永瀬廉は小児がんと闘う少女の動画制作をサポートするという。
さらにレギュラー番組の“24時間テレビ特別編”への出演もあり、どれだけバラエティー対応できるか、明るいムードを作り盛り上げられるか試されている。嵐の活動休止後、テレビ業界にはスターグループ不在の状態が続いているため、もしKing & Princeが先輩グループの結果と評判を上回ることできたら、その座に近づけるだろう。
逆に結果と評判が期待値を下回った場合、King & Princeはどうなっていくと見られているのか。同等以上のシングルセールスを誇るSnow Man、SixTONES、11月12日にデビュー予定のなにわ男子に取って代わられてしまう危険性がある。ジャニーズ事務所の“若手グループ群”に留まるのか、その中から一歩抜け出し、スターグループとして引っ張っていくのか。今回の『24時間テレビ』は、その分岐点になるかもしれない。
リーダーの岸優太は、「コロナ禍での放送となり、きっとさまざまなご意見があると思います。ですが僕たちが今できることを精一杯思いを込めてテレビの前のみなさんに届けるつもりです。今年も24時間テレビよろしくお願いします」と真摯な表情で語り、頭を下げていた。
放送前の現段階で、ただ1つ確かなのは、どんな結果と評判に終わったとしても、彼らが貴重な経験を得て、技術・精神ともにたくましさを増すこと。かつてSMAPも嵐も雌伏の時を過ごしたあとスターグループになったように、彼らにとってどう転んでも悪い方向に進むことはないのではないか。
木村隆志(コラムニスト、テレビ解説者)
ウェブを中心に月30本前後のコラムを提供し、年間約1億PVを記録するほか、『週刊フジテレビ批評』などの番組にも出演。各番組に情報提供を行うほか、取材歴2000人超の著名人専門インタビュアーでもある。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。