放送中のドラマ『古見さんは、コミュ症です。』。主演の増田貴久が演じているのは、ごくごく普通の高校生・只野仁人。
「最初にお話を聞いたときは“そうなんだ!! まだ高校生の役をいただけるんだ”と違和感なく、すんなり受け入れて。年齢差に“できるかなぁ?”と感じる前にうれしいなと感じました」
“35歳で高校生役”と報じられたネットニュースを見たときには、
「そうじゃないんだよなぁ、というか。そういう目線を超えて、ちゃんと役を生きたいと思いました。そもそも、高校生に見えるかどうかの話ではないので」
そんな熱い思いを胸に衣装合わせに行くと、
「スタッフさん全員が笑って“全然イケる!!”“大丈夫です!!”みたいな(笑)。監督さんをはじめ全員がイケない可能性があると思っていた、という(笑)。
実際に演じてみると、“僕が今、高校生だったらこんなふうにわかってあげられなかっただろうな”という場面も多くて。人付き合いの経験値として、今の自分になっていなかったら、きっとできなかっただろうな」
高校生活の初日。只野くんは、早くもマドンナ的存在となった古見さん(池田エライザ)と知り合う。が、彼女は人とコミュニケーションを取ることがすこぶる苦手な“コミュ症”(※)。空気を読むことが得意で、人の長所を見つけ出すことには天才的な只野くんが“友達第1号”となり、古見さんの友達100人づくりをやさしく、温かくサポートしていく……。
「みんな只野くんには自分のことを自然と話せちゃうような人物。決して、聞き上手なわけではないのに。似てるなと思うのは人が好きで、空間にいるみんなのことを自然と見てるようなところかな。僕もそういうところが、あるかもしれない」
人の意見を否定しないスタンスでいたい
人とコミュニケーションを取るうえで大事にしていることは、“会話泥棒”をしないこと。
「僕、けっこう人の話を自分の話で塗り替えてしまうタイプなので。“いや、俺なんてアマゾン川に飛び込んだときはさー!!”みたいな(笑)。それは恥ずかしいので、気をつけています。自分の正義はそれぞれ誰でもあると思うけど、やっぱり人の意見を否定しないスタンスでいたいです」
7月に35歳を迎えている。30代も後半に突入し、改めて今後をどう考えているのか?
「年齢なのかキャリアなのか、自分たちに任せてもらえたり、期待していただけることが増えてきて。そのひとつひとつに、期待以上のものを返さなければいけない年齢だと思いますね。その期待を超えて“増田に頼んでよかった”“NEWSを使ってよかった”って思ってもらえるような。そんな結果を残していかなければと思っています。その思いは年々、大きくなっていますね。
今作も大きなものを任せていただいていますし。自分が経験したことで伝えられることは、しっかり伝えていきたい。そう思う大人になってきていますね」
※コミュニケーションが苦手な状態を指した原作オリジナルの略称
よるドラ『古見さんは、コミュ症です。』
毎週月曜夜10時45分〜(NHK総合)放送中
スタイリング/内田あゆみ(creative GUILD) 衣装協力/amok、クロケット&ジョーンズ