2月5日、兵庫県神戸市の「ワールド記念ホール」にて、木村拓哉のソロツアー『TAKUYA KIMURA Live Tour 2022 Next Destination』の初日が開催された。2年ぶりのライブとあって終始ヒートアップしていた会場だったが、一番の盛り上がりを見せたのがオープニングだった。

「歌う際に使う筋肉、喉や声帯も含めてでしょうか、木村さんはこれを“歌筋”という独特の表現をするのですが、間違いなく2年前より鍛えられていたと思います。そしてコロナ禍で“STAY HOME”をすることが多かったでしょうが、身体も引き締まって若々しく見えましたよ。

 間違いなくあの頃の、メインヴォーカルを務めていた“SMAPの木村拓哉”がそこにいたように感じられました。加えて“あの発言”があったからでしょうか」

 レコード会社関係者が言う“あの発言”とは、2曲を歌い終わった後にひと息ついては《Yahoo(ニュース)見ましたよ。【木村拓哉ライブツアーに不安。頼みの綱はSMAPの遺産】って書いてあったんだけど……》と突如として、ネットニュースに触れた時のこと。

 正しくは《木村拓哉ライブツアーの不安”を吹き飛ばす切り札は「SMAPの遺産」》とのタイトルで、1月31日に配信された『東スポWeb』記事。

 記事内では“芸能プロ関係者”の言葉として、1stアルバムと比較して、新アルバム『Next Destination』の売り上げ枚数が下がったことを指摘。ソロとしての限界説を唱えるも、ジャニーズに残ったことで公の場でSMAPを歌うことができる木村にとって、この“SMAPの遺産”こそが切り札になる、としたのだった。

うちらの中ではSMAPは財産

 確かに曲の著作権を保持しているのはジャニーズ事務所であり、退社した稲垣吾郎、草なぎ剛香取慎吾らの『新しい地図』、ついでに中居正広らはSMAPの曲を歌っていない。片や、2020年2月のツアーでは『夜空ノムコウ』『らいおんハート』『SHAKE』を披露した木村。東スポの指摘もあながち間違いとは言えなそうだが、彼は我慢できなかったのかーー、

《勝手に遺産にしてんじゃねえよ!うちらの中でSMAPの曲は“財産”なんだよ!今はこんな時期だし、次はこの曲行くしかねぇな!》

 SMAPの曲は後ろ向きな遺産ではなく前向きな“財産”として、それは木村だけでなく“うちら”、つまりはメンバー全員の財産だと熱弁。そして歌ったのがSMAPの代表曲の一つであり、またコロナ禍を意識したのか『がんばりましょう』だった。

「SMAP解散後は各方面から批判を浴びながらも、反論することなく甘んじて受け入れてきた木村さん。ですが、5人、いや森且行を含めた6人で歌ってきたSMAPを過去のもののように扱われるのが我慢できなかったのでしょう。

 でも、この発言で『新しい地図』の3人もSMAPの曲を歌いやすくなったのでは? やはりファンはSMAPの曲を聞きたいわけですから」(前出・レコード会社関係者)

 ライブでは『夜空ノムコウ』、そしてSMAP時代のソロ曲『HA』を披露した木村。約2時間のステージを終えると、《何度も言ってるけど、どんなにしんどくても、ツラくても、悲しくても、絶対にくさるな!! 絶対に負けんな!!》

 最後まで言葉を送り続けた木村。これはファンだけでなくメンバー、そして自分自身にも充てたメッセージだったのかもしれない。