役の幅の広さはSMAPイチの香取

 香取慎吾は5人の中では唯一大河ドラマの主演を経験しているなど、役者としてのスケールの大きさはいちばん。

 そんな香取の第1位は『ドク』('96年、フジテレビ系)。日本語教師の雪(安田成美)とベトナム人の生徒・ドク(香取)のラブストーリー。「もの静かで頑張るドクの姿が泣ける」(59歳・東京)、「ドクの恋愛がもどかしくて、それがまたいい!」(42歳・宮崎)。

香取慎吾主演ドラマ『人にやさしく』('02年、フジテレビ系)
香取慎吾主演ドラマ『人にやさしく』('02年、フジテレビ系)
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 第2位は、原宿の一軒家に住む男性3人組(香取、松岡充、加藤浩次)が、ひょんなことから両親に捨てられた子ども(須賀健太)を育てることになるドタバタ子育てドラマ『人にやさしく』('02年、フジテレビ系)。「慎吾ちゃんと須賀くんのシーンが癒された」(47歳・兵庫)、「ときに泣けて元気をもらえるドラマ」(51歳・群馬)。

 第3位は香取が孫悟空を演じた月9ドラマ『西遊記』('06年、フジテレビ系)。「さすが香取くんって思った作品。子どもとハマって見てました」(48歳・三重)。

「香取さんは突き抜けたキャラをやらせたら右に出るものはいないんじゃないでしょうか。ある意味、香取慎吾は人間を超えている(笑)。『こち亀』('09年、TBS系)の両津勘吉を演じていますが、ギャグマンガのキャラクターすら説得力をもって演じることができるのが香取さんの役者としての絶対的な個性だと思います。

 ただ、10代の香取さんに私が感じた魅力は、それとは全然違うものでした。『沙粧妙子・最後の事件』('95年、フジテレビ系)というサスペンスの名作があって、それに18歳の彼が猟奇殺人犯役でゲスト出演したんです。ものすごく狂気をはらんだ役で、「妙子、キスしよう」って浅野温子さんに迫りながら、彼女に頭突きするんですよ。

 闇の部分とあっけらかんとした香取慎吾らしさを見事に融合させていて、この年でこの表現ができるのはスゴいなと驚きました。その後、『未成年』('95年、TBS系)で知的障碍者を、『ドク』でベトナム青年をというふうに木村拓哉のナチュラルな芝居とは真逆のベクトルの芝居で役者としての評価を高めていきます。

 でもそこから路線変更しちゃうんですよ。『合い言葉は勇気』('00年、フジテレビ系)などの三谷幸喜作品や『西遊記』の孫悟空のようなコメディー系のキャラものへと。その両方をできるのがスゴいんですけど、私としてはクセのある役柄を演じていた初期の路線をもうちょっと見たかったなという思いはありましたね。とにかく、役の幅の広さではSMAP随一、いや日本一かもしれません(笑)」