違法はまだある。広告では、他社商品と比較し、他社のものよりも“安く”かつ“早く染まる”ことをアピールしている。
「他社製品との比較は、薬機法上の他社誹謗にあたりアウト。化粧品広告では、他社製品と比較すると基本的に違法表現と判断されます」
違法広告に起用された芸能人はほかにも、アンミカ(商品=美白歯磨き粉。広告の「歯を傷つけたり磨きすぎることがない」という文言は、「副作用がない」旨の表現にあたり違法)。
芸能人に罪はあるのか?
また、宮迫博之のユーチューブチャンネルは、化粧品や健康食品を販売する企業の商品の広告動画を作成。複数回公開している。しかし、同企業は'21年7月に東京都から3か月間の業務停止命令を受けている(“解約方法を容易に認識できるように記述していない”などの苦情が殺到したため)。
ユーチューブ上の動画広告には、自動的に差し込まれるものとユーチューバーが広告主から依頼を受け、自身の動画コンテンツとして作成するものがあるがこちらは後者。『企業案件広告』だった。宮迫チャンネルの広告動画自体は違法広告ではないが、同企業によるほかの違法広告に「宮迫も推薦」などと記載されていた。
起用された芸能人は悪か。
「芸能人、著名人の方々には、道義的な罪はないと思っています。そういった方たちは基本的には法律の知識を持っていないでしょう。悪徳メーカーはそこに付け入り、有名人を使い捨てる形で広告を作っているのだろうと考えています。また、悪徳な薬機法コンサルタントは、起用する有名人に罪をなすりつける手法を、商品のメーカーに指南しています。
一方で、芸能事務所は怪しい案件を避ける機能を持つべきとも思いますが、人材面等で余裕のない事務所もあるでしょうし、フリーの芸能人の方もいると思います。現状では、利用されてしまう芸能人の方は、これからも出続けるだろうと思います」
罪のなすりつけの一例として、“有名人・インフルエンサーが勝手に発言した”という形をとるなどだという。
「有名人が雇われて広告に載るのはよくあることです。多くが騙されて違法広告に出ているのだと思います。私刑ではなく行政罰が企業に淡々と執行されることを望みます」
※記事配信後、違法部分の修正を確認したため、タイトル、画像キャプション及び原稿内の一部を修正しました(2022年6月15日17時修正)