売りは「業界最低料金」とアピールする安さ。実績として《偏差値40台の高校生を早稲田大学に入学させる》などと“ドラゴン桜”を気取る。
なぜ、家庭教師の道を選んだのか。
経営専門雑誌のインタビューにこう述べている。
《次第に塾や学校で子どもの学力を伸ばすには限界があると感じるようになったんです。なぜかというと、集団授業はもともと勉強ができる子にとっては無駄な時間になり、一方で、勉強についていけない子どものフォローもしづらいからなんです。そして個別指導の塾はというと、いくら個別といっても実際にはマニュアルがあり、細やかな指導をするのは難しいんですよ》
一理あるのかもしれない。しかし、「細やかな指導」の名目のもと、密室でわいせつ行為におよんでいたわけだから鼻白むだけだ。
容疑者宅は横浜市中区にある家賃十数万円の一軒家。
近隣住民らによると、妻子がおり、引っ越してきて1年に満たないという。
「スレンダーな奥さんと小学校低学年ぐらいの娘さんが1人います。周囲に引っ越してきた挨拶もせず、荷物を運ぶのに使ったとみられる大量の段ボールの束が庭先にずっと出しっぱなしなのが気になりました。被害女児と同じような年頃の娘さんを持つ父親として、ありえない犯行だと思います」(近所の女性)
親子3人で出かける姿を目撃した住民はこう話す。
「奥さんは“こんにちは”と声をかけてくれましたが、高橋容疑者は無言でした」
私生活では、コミュニケーション能力に疑問符のつく一面が浮かび上がった。さらには、こんなエピソードも……。
“真夜中クレーマー”の素顔
「容疑者は変わったところがある。夜中でも構わず、自宅の管理会社に電話をかけて“戸が開かない”とか“電気がつかない”などとクレームを入れて対応を迫るそうです。翌朝でもよさそうな内容だから神経質なのかもしれない」
と近所の男性は言う。
表と裏の顔はずいぶんと異なるようだ。
「捜査当局はほかの教え子に被害がないか確認する方針だ」(前出の記者)という。
別のウェブマガジンでは家庭教師のやりがいについて、
《仕事をしている間、最も幸せだと感じたのが今の職業でした。生徒と信頼関係を築き、共に目標を達成する喜びは何ものにも替えがたい経験です》
と述べている容疑者。
何かにつけ「信頼」を連呼し、《学びは、至高の遊びである》(同マガジンより)などと知った口を叩いていた。
あげくは家庭教師業界について、
《この業界の問題点は、家庭教師になるための資格がなく講師の質も玉石混交であること》(前出の経営専門雑誌)
と断じる一幕も。
そのとおりだとしても、被害女児やその家族の気持ち、まじめに取り組むほかの家庭教師が被ったマイナスイメージなどを考えると、高橋容疑者は「玉」を装った「石」にほかならないはずだ。