“トンデモ美容法”がウケるわけ
また、特に肌に関してはきゅうりやはちみつを使ったパックのような“トンデモ美容法”が受け入れられやすい事情もあるようだ。
「肌の悩みは、“たまたま自然に”良くなることがわりとあります。例えば軽いニキビであれば放っておいてもいつか治るわけです。そのため本当は効かない治療法や芸能人のマネをしたら“治った”と感じて感謝する人もいる。肌に関しては不正確な情報であったとしてもそれが検証しにくい面があります。これが誤解が広がってしまう理由としてあります。間違った治療法をやって治りが遅くなっていても、それを本人が気づくことはあまりありません。
実は放っておいたらもっと早く治って、もっときれいになった可能性もあるのに、間違った認識でその治療法に感謝して終わってしまうという。また同じ理由でインフルエンサーも自分がやってみて“効いた”と間違った認識をして、紹介しているケースもあるのではないかと考えます」
人間の免疫機能が優れているがゆえに、間違ったやり方がより拡散してしまう。“いつまでも綺麗でいたい”というのは多くの人の願いだろう。しかし、ただ“流行っている”、“あの人がやってた”などで判断することの無きよう……。
〈参考文献〉
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