イケイケの元行員は約11年前、横浜市内の高級マンションを約4400万円の住宅ローンを組んで購入。同マンションの男性住人はこう話す。

「生活感のない人でどのような仕事をしているか知らなかった。トラブルはなかったが自治会活動には参加しなかったようで、ほとんど交流はなし。同じ階の住人が言うには“謎めいた存在”だったらしい」

 別の女性住人は、

「おしゃれで若いパパだなと思っていた。高齢者がデジタルに弱い点を突くなんて卑きょう者。妻子がいるのに何をやっているのか」

 と呆れ顔だった。

子どもに父の背中を見せてあげたい

 容疑者は子ども向けの絵本をつくるプロジェクトに協賛した際、インタビューにこう答えている。

《僕は父親を、高校1年のときに亡くしています。就職や転職の時など、父親の話を聞きたいなと思うことが何度もありましたが、残念ながらそれは叶いませんでした。自分は、子どもに父の背中を見せてあげたいと強く思っています》

 仕事が忙しく、小学生の娘と過ごす時間をつくれないとする一方、絵本プロジェクトに参加していることを娘に話すと、

「えー!!!パパ、絵本を創っているの?!見せて!見せて〜!!」

 と嬉しい反応があったと打ち明けている。

 電子計算機使用詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役。執行猶予がつく場合もあるが、罰金では済まされない。その背中は、娘に見せられるものではないだろう。