『尊厳を踏みにじられてきた女たちの悲哀』を描くから

『モノノ怪』は2007年にフジテレビ系列で放送された和製ホラーアニメで、当時から櫻井さんは主人公の本名・年齢・素性などが不明の謎に包まれた行商人役を務めていました。今回の劇場版はそれに続く完全新作。彼が降板したあとの新キャストは夏頃に発表されるそうです。現場はバタバタだそうですよ」(制作会社関係者)

 SNS上では、『モノノ怪』のキャスト変更について多くの反響が寄せられていた。

「薬売りの声が変わるのやだ!櫻井さんの声が好きなのであって、プライベートなんて知らねーよマジで!」

「仕方ない面もあるけど、どうしても心がついていかない…。こちとらあの声の薬売りを15年推してきたんだぞ!!」

 このように長年愛されてきたキャラクターの魂ともいえる声が変わることに、拒否感を覚えるファンがいるのも事実だ。しかしながら、やはり多数派の意見は違う様子。

「櫻井さんの声でずっとやってきた薬売りの声優変更は悲しい。でも大奥で泣いている女に慰めの言葉でも向けた時は、脊髄反射で『おまえが言うな』って気持ちが湧いてきそうだから正解ですよ」

「モノノ怪は『男に騙されたり、尊厳を踏みにじられてきた女たちの悲哀』を描いてることが多いからね……」

「世界観と櫻井さんの声が絶妙にマッチしてて好きだったんだけど、『女性の苦しみと救済を描こうとしている』なんて言われたらぐうの音も出ません」

 など、キャスト変更に納得する声が多く見られた。同作の監督である中村健治氏は今回の降板劇を受け、このようなコメントを発表している。

《この作品を気にしてくださってる皆さんやクラウドファンディングに参加してくださった皆さん、不安にさせてごめんなさい。ただ現場では毎日本当にいろんな面白いものや不思議なものが出来上がっているので待ってて欲しいです!スタッフ一丸となって頑張ります!》

 しかし、クラウドファンディングに参加したファンたちは困惑のようで、

「しっかりと返金対応をしてくれるというのはありがたいのですが、その申し込みの期間が4月15日までとなっているんです。作品自体は応援したいのですが、新しいキャストが誰なのかも知らされないままに判断しなければいけないのが難しいところです。それにしてもキャストの変更で返金に応じるということは、“声優・櫻井孝宏”が作品の大きな部分を担っていると運営側も考えているということでしょうね」(ファンのひとり)

 そのほかにもSNS上には支援をした者たちから多くの声が寄せられており、混乱を招いている状態だという。不倫騒動でイメージに大きな傷がついてしまった櫻井の復帰はいつになるやら……。