“脱税”“パワハラ”…事実ではない

――文書の存在を確認しているか?

「弊社、『クレアシオン・キャピタル』、『乃が美』FCオーナーが運営する約20店舗に同じ内容の匿名文書が郵送されたことを確認しています。この文書の内容は事実無根であり、弊社の信用を毀損する内容が含まれているため、弁護士を通じ警察に提出した告訴状が受理されています」(『乃が美』法務部、以下同)

――森野氏が「資金ショートする」といった話をした?

「その記載は弊社森野の意図を捻じ曲げているもので、事実とは異なります。弊社森野が説明をしたのは、一般論として、販売方法に応じたロイヤリティ料率の引き下げ、ロイヤリティの支払いサイトの延長、ロイヤリティ支払いの一部免除といったFCオーナーのための施策を行っているにも関わらず、万が一、多数のFCオーナーが一斉にロイヤリティの不払いをすることとなれば、本部は資金ショートするという仮定の話でした」

――森野氏が「2度命がけの脱税をした」という発言をしたこともあったようだが、事実か?

「事実ではありません。弊社森野は、税務申告に際し、関連するすべての資料を顧問税理士に提出し、適正な申告をしており、脱税をした事実はありません」

森野氏(左)と皇治。怪文書には皇治に関する記載もあった(皇治のツイッターより)
森野氏(左)と皇治。怪文書には皇治に関する記載もあった(皇治のツイッターより)
【写真】出回った怪文書、パワハラ疑惑をかけられた『乃が美』森野会長

――森野氏が「銀行に金なんか返さなくていい」などの助言をFCオーナーにしていたとされていますが、事実か?

「弊社森野が、ロイヤリティの支払を遅滞し、また、金融機関への返済も遅滞しているようなFCオーナーに“フランチャイズ契約の履行をするべき”と伝えたうえで“金融機関の返済についてリスケそのほかの方策を相談してみてはどうか”との助言をした事例は存在します」

――文書では『乃が美』からの独立を求めているが、応じる予定はない?

「独立を求める要求は、弊社FCビジネスの根幹を揺るがす要求であり、応じることができないのは、FCビジネスの本質上、当然のことであると考えています。

 FCオーナー側は、弊社が到底受け入れることができない要求を突きつけたうえで、応じなければ、事実無根の誹謗中傷をマスコミ等に伝達をすると述べています。弊社としては、そのようなFCオーナーの態度は、悪質な強要行為であると理解しています」

――オーナー会議で森野氏が机を強く叩いてFCオーナーを威嚇したことはあったか?

「弊社森野が、オーナー会議で机を強く叩く、大声を上げるなどのFCオーナーらを威嚇する言動をした事実はなく、声を荒立てたり、感情的になったりしたこともありません」

――オーナー会議で森野氏がパワハラ発言をしたとの記載もあるが、事実か?

“今日はキレないように頑張っている”という発言は、長時間に及ぶ会議において、自身の緊張感が切れないように努力をしていることを意味してなされた発言です。

 また“不安でついていけるか”という弊社森野の発言は、あるFCオーナーが自社の朝礼において、自社の業績不振を他人や外部環境に押し付けるようなネガティブな発言に終始していたのを確認したため、事業を率いる経営者がそのような発言をすれば、社員の意欲を下げ、引いては社員の退社に繋がることとなるため、経営者として積極的な姿勢を見せることの重要性を冷静な口調で説いた発言です

 根拠不明な怪文書の内容だけに、一部の発言内容について弁明するほかは完全に否定した。

 前出のFCオーナーが話す。

「資金が底を尽きた今、身動きできない状況です。本部を支えてきた私たちにこんな仕打ちをするのなら、もっと早くに、何かしらの手を打つべきでした……」

『乃が美』とFCオーナーたちの行く末は――。