鳥海さんは、大学卒業後、食品会社に勤務。その後、大学観光学部の助手を経て航空・旅行アナリストの道を歩む。
「大学4年生のとき、スコットランド・エジンバラへ留学しました。留学中の週末や休暇を使ってヨーロッパを周遊したのですが、このときの体験が今の仕事に向かうきっかけになったと思います。自分の目で見て、肌で感じることの面白さ。1人でも多くの人に旅行の醍醐味を伝えたくてこの世界に進みました」
わかりやすい解説は「ラジオにルーツ」
鳥海さんが執筆を開始した'00年代は、まだインターネットが普及したてのころ。海外でのチケット発券法やお得なマイレージ術は貴重な情報として重宝され、雑誌などで書くようになったそうだ。
「テレビによく出させていただくようになったのはここ最近ですが、実は'10年に、高木美保さんがパーソナリティーを務める文化放送のラジオ番組に、月1でレギュラー出演していました。その後も、ラジオに出演させていただく機会に恵まれ、“わかりやすく伝える”ことを学びました。僕は、ラジオに育ててもらったところが大きいんですね」
テレビと違って映像のないラジオは、聞き手が想像しやすいように、わかりやすく話さなければいけない。鳥海さんの解説がわかりやすいのは、ラジオにルーツを持つからだという。
また、旅行のスキルが、そのまま『ひるおび』や『羽鳥慎一モーニングショー』などの番組に出演する際に、「生きている」と鳥海さんは笑う。
「先ほどお話ししたように、僕はコロナ禍を機にテレビに出演する機会が増えました。そのため、リモートで出演するケースも多かった。日頃から快適に旅行をするノウハウを発信しているので、国内外を問わずWi―Fiがある場所は把握しているし、渡航先でインターネットをするためのスマホでの接続も熟知している。
駅にあるステーションワークからリモートで生出演したこともあれば、ハワイにいるときはホテルの部屋からオンラインで応じたくらい。羽鳥さんから『カメラを外に向けてください』と言われてワイキキビーチを映したときは、相当反響がありましたね(笑)」
いつでもどこでもオンライン出演できることが、鳥海さんの追い風になったというから“リモートの申し子”だろう。いろいろな場所へ行きながら仕事もこなす─、そんな鳥海さんのライフスタイルにあこがれを抱く人は多いはず。その一方で、どうしても気になることがある。「結婚はされているのでしょうか?」、思い切って尋ねてみると、
「独身だからこういう仕事の仕方ができているのは否めませんよね。周りからもそれをつっこまれます」
そう面はゆそうに答えるものの、ライフワークバランスならぬ、ライフワークブレンドした鳥海さんの働き方は見習いたいところ。