NHKの稲葉延雄会長が27日、定例記者会見を行い、ジャニーズ事務所所属タレントの新規の出演依頼は、被害者への補償や再発防止への取り組みが着実に行われていることを確認できるまでは行わないとした。
紅白歌合戦も例外ではなく、今年はジャニーズが「ゼロ」になる可能性が高い。番組制作の現場はさぞ混乱しているだろうが、ほっと胸をなでおろしているのがNHKのドラマスタッフだという。
「現在放送中の朝ドラ『らんまん』は今週が最終回。来週から新番組の『ブギウギ』がスタートしますが、ジャニーズ事務所のタレントは現時点で出演予定はありません。前作の『舞いあがれ!』では重要な役どころで関ジャニ∞の横山裕やSnow Manの目黒蓮が出演していたので、『ブギウギ』関係者は出演者の変更や撮り直しにならずに、ほっとしているのではないでしょうか」(芸能事務所関係者、以下同)
『らんまん』では放送中に主人公の母親役・広末涼子のダブル不倫騒動があったため、2作連続の災難という事態は避けられ、運がよかったと言えそうだ。
「いえ、運というわけでもなさそうなんです。というのも、来年放送される吉高由里子主演の大河ドラマ『光る君へ』も、これまで40人以上の出演者が発表されていますが、ジャニーズ事務所のタレントさんはひとりもいないのです」
現在放送中の大河ドラマ『どうする家康』の主演はジャニーズの松本潤。大河も朝ドラも毎回、ジャニーズ事務所のタレントが入るというわけではないが、まるで今回の性加害問題が起きることを予測して、あえて避けたかのようにもとれる。
2022年8月に来日していたBBCの取材クルー
この問題の発端となったイギリスBBCのドキュメンタリーは今年3月の放送だ。一方、朝ドラの第一弾の出演者発表は今年2月。大河ドラマも、主演の吉高と相手役の柄本佑以外の多くの出演者が発表されたのは今年の2月。BBCのドキュメンタリーの放送より前に発表されているが……。
「去年の8月、BBCの取材クルーが来日して、複数の日本のメディア関係者にジャニー喜多川氏の性加害問題について話を聞いていたのです。元朝日新聞社の記者で現在はフリージャーナリストの鮫島浩氏は、彼らの取材に応じたことを明かしています。某大手週刊誌の編集部にも行くほど、BBCの取材は大がかりなものでした」
もし事務所の性加害問題が明らかになれば、出演者の降板など対応を迫られることが予想される。大河ドラマや朝ドラといった長丁場のドラマに影響が及ぶのは避けたいはずだ。BBCの取材の噂を聞きつけたNHKがそのとき下した決断は「ジャニーズ外し」。早めに手を打ち、難を逃れたというべきか。