A子さん自身も、連日のハラスメントで心身に不調をきたし、管理職の男性上司に相談したことがあったが……。
未婚の連中の言うことは気にせんでええ
「上司からは“俺もどうしたらいじめがなくなるかわからへん”とか“子どもを産んでいない未婚の連中の言うことは気にせんでええ”と、なんの解決にもならないことを言われるだけでした。いじめを認識しつつも諦めている姿勢に悲しくなりましたし、未婚女性が条件のタカラジェンヌたちを見下すような発言も許せません。劇団の管理職がこんな認識だったのかと絶望しました」
結局、A子さんは宝塚に就職してから2年ほどで、退職を決意することに。
「退職を決める直前までは帰宅途中に“電車に飛び込めば楽になれる”と考えるほど追い詰められていました。退職の際、先輩から“私たちを悪者にした”と聞こえるように言われたのを覚えています。私の同期たちも、3年前後で心を病んで辞めてしまいました。中には失語症を患った人もいるそうです」
A子さんはいじめを認めない劇団サイドに警鐘を鳴らす。
「宝塚を円満に退社した人なんかほとんどいないでしょうし、私以上につらい思いをしている人は多い。労基の介入以前に、遺族や退職者に誠実な対応をしないと、今後も劇団にとって都合が悪い情報の流出は止まらないと思います」
多くの関係者を苦しめた宝塚の悪しき伝統と、決別する日が近づいている。
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