乳がんであることを普通に話せるようになるといい
治療に専念するために、1年近く仕事を休んでいる植山さん。実感するのは、「ありがたいことに、私には安心して治療に専念できる環境が整っていた」ことだという。
「がんが発覚したのは出産で休んで、復帰したばかり。さあこれから頑張ろうって気合が入っているときにまた休むことになったわけで。相方は“焦らなくていいから”と言ってくれました。事務所も芸人仲間も待ってるって。アルバイト先も“休んでいいよ。帰ってきた時の居場所は、空けておくから”と。皆がそう言ってくれた。ありがたいです」
厚生労働省の調査では、がんと診断を受けた人の約2割が退職や廃業しているという(「がん患者・経験者の治療と仕事の両立支援施策の現状について」2020年)。また、続けられたとしても、仕事内容が変わったり、中には降格や居場所をなくしたくないと、無理して働き続ける人もいる。
「がん患者は増える一方です。そして早期発見、早期治療を行えば、治って戻ってこられる病気だと身をもって実感しました。みんなが普通に、がんであることを話せるようになればいい。極端に言えば“風邪でちょっと休む”という感覚で休めるようになればいい。周囲もそれを普通に受け止められるように、また戻って来られる居場所を、安心して休める環境を周りが作る社会になればいい。心からそう思います」
がんは他人ごとではなく、自分ごとなのだと誰もが考えるべきだと語る。そして、太字で強調して書いてくださいとお願いされたのは、この言葉だ。
「今読んでいるあなた、この記事を読まれたら、すぐに乳がん検査の申し込みをしてほしい! 早期発見さえすればすぐに直る。それが大事なんだから」