ときどき無性に食べたくなる福井のソウルフードです
福井県出身の大和田獏さんが紹介してくれたのは、心に残るふるさとの味だ。
「子どものころ、学校の成績がいいときなどに親がご褒美に出前をとってくれたのですが、そのなかでも思い出深いのが、敦賀ヨーロッパ軒の〈ソースカツ丼〉です。ソースカツ丼は福井人のソウルフードであり、僕のソウルフードでもあります」(大和田さん、以下同)
おだしの卵とじではなく、ソースで食べるカツ丼は、群馬や福島、長野などにも古くからあるが、その発祥はヨーロッパ軒というのが定説だそう。
もともと、大正2年に東京・新宿区にあったヨーロッパ軒で提供したのが始まりで、その後、関東大震災で店主が郷里の福井に帰って店を始めた。総本店は今も福井市内にあり、敦賀ヨーロッパ軒は昭和14年にのれん分けされたお店だ。
現在、福井県下に10店舗以上のヨーロッパ軒があるが、「敦賀ヨーロッパ軒のソースカツ丼が一番好きです」と大和田さん。甘みと酸味のバランスが絶妙のウスターソースとカツの相性が抜群だとか。
「もうひとつ、この店で忘れられない味が〈スカロップ〉です」
スカロップとは聞きなれない料理だが、トンカツに甘めのソースをたっぷりとかけた敦賀ヨーロッパ軒オリジナルのメニューだ。
「他の店では食べられないので、無性に食べたくなるときがあります。ちょうど3月に北陸新幹線が敦賀まで延伸されましたので、ぜひ足を延ばして楽しんでください!」