会場のキャパシティーに対し、周辺に宿が足りていなかったかもしれないが、事前の注意喚起もあって、イベント最後のブロックを終演前に抜け出し、無事帰宅した観客は一定数いるようだ。山口県外から遠征してくる場合は、それくらいの覚悟が必要だったのかもしれない。

 過去にも類似の混乱があったと話すのはイベント設営会社関係者だ。

「2013年に東京都の秩父宮ラグビー場で開催されたNEWSの屋外コンサートが、悪天候により中止され翌日に順延された際には、地方から遠征していた観客が帰宅できなくなったり、低体温症や過呼吸などの症状を訴える人々で溢れました。

 宿が見つからなかった地方からの遠征者が、ネット上で会場近隣のファンなどに泊めてもらえないか、とSNSに投稿し、実際多くの宿泊先提供があったようですが、その際のマナーなどでいがみ合いも起きていました。女性ファンが男性に襲われたという虚偽情報の拡散もあったようです」

 一連の流れをNEWSのファンネームから『パーナさん事件』と呼び、今回のキンプリイベントでの帰宅難民者にも同じことが起こらないようにと、SNS上で呼びかけがあった。

 JRの中国統括本部広報に問い合わせたところ、以下のような回答があった。

――本当に1000人も帰宅難民者がいたのか?

実際に正確な数を数えたわけではないですが、およそ1000人近い観客が駅周辺で帰れなくなっていたのは事実です。(ファンの方が画像をあげている通り)ペットボトルの保存水や保存用ビスケットも配られました。ブルーシートも敷かれました

――ペットボトルの水やビスケットは災害用だったのではと言われているが。

「こちらは災害用と決まっている訳ではなく、新幹線が止まる駅であるため、ダイヤの大幅遅れがあった際、乗客が『列車ホテル』という形で車両で一晩過ごす場合などに備えていたものです」

――混雑について事前に注意喚起はあったようだが?

「イベントがあるから特別対応するわけではなく、あくまでも時刻表通りに電車を利用してもらえればとも思います」