精神的に不安定で、ちょっと変わった人

生前、A氏の妻が警備員をしていたとき、乗っていた原付バイク
生前、A氏の妻が警備員をしていたとき、乗っていた原付バイク
【写真】嬰児3遺体を産み落としたとされる“母親”が残していったもの

 一方、A氏の妻は警備員として働いていたが、4年前に大腿骨を骨折。

「車椅子でリハビリに通ったり、デイサービスに行ったりして、いったんは自力で階段を上り下りできるまでに回復した。施設に入った長男が週末に帰ってきて、一家5人で車椅子に乗った妻を押して外食に出かけていた。微笑ましかったですよ」

だが、その後、妻の姿を見かけるものはいなくなった。前出のアパートの住人によると、彼女は3年前に亡くなっていたという。

 妻の死について、かつてママ友だった主婦は、40代後半で亡くなったと証言する。

「精神的に不安定で、ちょっと変わった人でしたね。子どもたちが幼いとき、育児ノイローゼに陥ったようで、子どもの服が毎日同じで、臭いがキツかった……。また部屋もゴミ屋敷で、その悪臭が原因で前のアパートを追い出され、いまのアパートに移ったと聞いています」(ママ友)

だが、その後もゴミ問題は続いていたという。

「今のアパートもやっぱりゴミ屋敷化していて、ハウスクリーニングに頼んで、計3回ほどにわたってゴミ袋50個ぐらいを処分していた。そのあとでAさんが遺体を見つけたんでしょう。

でも彼女が、このアパートで産んだとは思えない。赤ちゃんの声など聴いたことがないから。もしかすると、前のアパートで産んでいたのかも……」(前出・近所の住人)

 真相は今後の捜査によってつまびらかにされるだろう。A氏も子どもたちも消えてしまったアパートの部屋で、換気扇だけが延々と回り続けていた。