“奴隷契約”は改善でも…
過去に東方神起、KARAといった日本でも人気があったグループが事務所と裁判に。最近だとFIFTY FIFTY、オメガエックスが事務所に対し訴訟を起こした。なぜ韓国アイドルは事務所との裁判にまで発展するのか。
「韓国芸能界では事務所とタレントの専属契約期間が10年以上という“奴隷契約”が主流でしたが、東方神起の裁判で契約期間は最長で7年に改善されました。中小の事務所はコンプライアンスがしっかりしていなくて、アイドルへのセクハラやパワハラなど、訴訟が後を絶ちません。デビュー前の練習生時代は事務所がお金を立て替えていて、先行投資した分を回収しようと働かせるため、アイドルも疲れて不満が起きやすくなる。売れているアイドルは世界ツアーなどスケジュールは、より過酷なものになります」
そんな過酷な労働環境でも、アイドルを目指す若者は多い。
「若者が名声と多額の収入に憧れる背景には、韓国社会のひずみがあります。親の資産や所得が子どもの一生を左右することから、金・銀・銅・土に階級が分かれる『スプーン階級論』が広がっています。そんな階級を超えて唯一、夢を見られるのがアイドルですが、練習生の中から勝ち抜いてデビューしても売れる保証はありません」
K―POP界の改善すべき点はどこにあるか。
「ファンにサービスをして、事務所から言われたことをやっていると燃え尽き症候群になってしまったり、うつや自殺につながるので、アイドルの精神的ケアは必要です」