9月19日に開幕、『ひとめぼれスタジアム宮城』で4日間のコンサートを控えている嵐。
約20万人を動員予定の最大級イベントは、県内のホテル不足という事態を巻き起こした。その影響は思いのほか大きく、観光地や各種イベント、連休の宮城県を直撃。こんなものまでネットオークションに出品されている。
「チケット同様にナント、宮城県内のホテル“宿泊権”も転売屋によってネットオークションに出品されているんです。仙台駅最寄りのホテルで1泊2万~4万円と相場の数倍。予約しておいて、買い手がつかなければキャンセルという算段でしょう」(前出・旅行代理店関係者)
さてコンサート招致に尽力したという村井嘉浩知事ら宮城県は、嵐来県による経済効果を93億円と試算した。コンサート関係で57億円、ホテルや飲食事業、そして特産品販売や各地の観光業による波及効果で36億円の計算だという。が、疑問視する声も。
「宮城に来るのはほとんど若い女性。嵐グッズには進んでお金を使うけども、特産品を買うかというと、どうでしょう。例えば嵐ランドのロゴを使用できるなら別ですが、商標に厳しいジャニーズが許すかどうか」(芸能プロ関係者)
ただ20万人が来訪するというだけで試算した経済効果は、皮算用になる可能性もあるということだ。むしろ県内各観光地では“マイナス”に落ち込む恐れも……。
というのも先に触れたとおり、シルバーウイーク中の宿泊先がまったくない。それは本来観光に来たであろう、お土産を購入する一般観光客が来られないことを意味する。
「“連休は仙台に行こうか”などと旅行計画を立てるもホテルは満室で、“じゃあ別の県に”となる。大型連休だというのに、観光地は閑古鳥という事態が起きるかもしれません」(旅行雑誌編集者)
観光名所に電話してみるとこんな声が。
「お隣の山形県のホテルも嵐ファンの方々で満室になっているという話は聞いています。遠方から来られる予定だったお客さまがホテルをとれないという状況で、こちらにいらっしゃる人数もいつもより減ってしまうのではないか、普通に観光をしてくださる方が減ってしまうのではないかという思いはあります」(青葉城本丸会館)
日本三景のひとつに数えられ、震災復興を進める松島はどうなのだろうか?
「GLAYさんが来たときは、比較的若いお客さんが多くいらっしゃったという印象がありますね。でもライブ会場は交通の便が悪い場所でしょう。足を運んでいただくこともなかなか難しいのかなとは思います。なので当日に(コンサート客が)松島まで来ることはないでしょう。前日や翌日など前後の日で来る方が多少はいるとは思いますが」(観光協会)
有数の観光名所である両地ではあるが、嵐コンサートに備えて何か特別な対応をする予定はないという。では経済効果を期待する県庁の地域復興支援課の話。
「全国から1日5万人の方々が来てくださいますので、昨年より宮城県自体がかなり盛り上がるだろうという予測はしています」
やはり宿泊場所に関する問い合わせも来ているようだ。
「本来観光に来られる予定だった方が来られなくなってしまうことも多少あるとは思っていましたが、実際は想像以上で、嵐ファンのすごさを感じました。ですが、このためだけにホテルを増やすことは無理なので、対応はなかなか難しいですね」