今年4月、“電力小売りの全面自由化”の時代が幕を開ける。地熱発電や太陽光発電の電気が使われているプランも登場している。電気を選ぶ際に環境保護の視点を盛り込めるのも、電力新時代ならでは。
ケータイ電話のように2年契約が縛りになっているプランも登場しているが、よしあしだ。乗り換えたい、と思っても、身動きができなくなる可能性が高まってしまう。
「とにかく細かい説明までよく読んでください。消費者にとって不利なことは、契約書などの最後に小さくわかりにくく書いてあるものです」(消費生活アドバイザーでファイナンシャルプランナーの丸山晴美さん)
ひとつの例として東京電力が新たに導入する「プレミアムプラン」を挙げ、次のように説明を加える。
「割引率が高いものの2年契約の縛りがあり、途中で解約すると5000円の違約金がかかります。2年間の割引額が5000円以下だった場合は、最終的に損をしてしまうことになるため要注意です」
それでも、節約志向が高い人や自分に合った特典がある人は積極的に変えてみるのもいい、新生活が始まる人にとってもいいと丸山さん。来る4月を電気料金見直しの好機ととらえる。
ぜひ試みたいのは、電気料金プランを比較シミュレーションできるサイトの利用だ。'02年に電力自由化を行ったイギリスでは、電力会社を変更する際、約44%がオンライン電力比較サイトを利用しているという。
消費生活アドバイザーの巻口守男さんが副社長を務める『エネチェンジ』の電気料金プラン比較シミュレーション『エネチェンジ電力比較』も、電力自由化のメリットを適切に弾き出す。
入力するものは、郵便番号と現在の電力会社、契約アンペア数、ある月の電気料金、世帯数、ガスの契約の有無。電気を使う時間帯の割合を選択すると、その土地の年間電気代、年間電気使用量、1年で最も電気を使う月が算出される。
それをもとに同社に登録されている会社の全プランの中から『おすすめ順』『電気代節約額順』のランキング形式で、利用者に合ったプランが提案される仕組みだ。
「電気の小売り市場への参入を表明しても、まだ詳細プランを出していない企業も多く、現在シミュレーションに対応しているのは全国で10数社ほど。今後、発表するたびに随時更新していきます。2月中旬には100社を超える社のプランが出そろうと思いますので、その後に乗り換え先を決めるほうがいいでしょう。乗り換えなければ、今より高くなることはなく最悪、損はないですしね」(巻口守男さん)