『アメトーーク!』で大久保佳代子の登場テーマ曲として使用されるなど、バラエティー番組でフィーチャーされ、代表曲『後ろから前から』がリバイバル人気となっている畑中葉子。昨年は多くのテレビ番組に出演。’10年に芸能界に復帰してからは年々、その注目度が増している。そんな彼女が今まで明らかにしなかった家庭内の修羅場を本誌だけに赤裸々に語ってくれた。
娘が中学1年生の時に不登校になってしまったという畑中。そのことが原因で自身も寝込んでしまい、家事ができなくなる“家庭内引きこもり”のような状態になってしまうこともしばしば。そんな状況に、夫婦関係はどんどん冷めていったという。
「夫と相談しようと思っても、飲んで帰ってきて話せなかったり。お互いに、こういう家庭状況になったのは相手のせいと思っていましたね。夫にすれば、私が悪いということだったんでしょう。そして、男性は外に逃げますね。仕事を理由に逃げますよ。だから、私は“夫はお金を稼いでくればいい”と思い、向こうにすれば“家事をして学校に行かせていればいい”という感じでした。なぜ、この夫と結婚したのかを真剣に考えましたよ。離婚寸前までいったことは何度もありました」
そんな状況で最も支えになったのが、カウンセラーだった。
「スクールカウンセラーの先生とすごく気が合ったんです。なので、とても信頼できる存在になってくださいました。先生が娘のために家を空けたほうがいいというので、友達のところでバイトをしたこともありました。先生もおっしゃっていたんですが、自分に合うカウンセラーを見つけるのが大切だそうです」
中学1年生の夏から不登校を続けていた娘に変化の兆しが現れたのが中学3年生のとき。彼女から突然、勉強したいと相談されたのだ。
「でも、娘はやはり学校には行きたくないし、塾も嫌だと。それじゃあ、家庭教師しかないということになり、知り合いのつてで医学部の女子大生が来てくれることになったんです。ひとりっ子の彼女は娘を妹のようにかわいがってくださって、その時間が娘にとってすごくよかったんです。それで高校に行きたいと言うようになったんですね」
ほとんど中学校に通っていないため、内申点に関係なく受験できる高校を探した。そして、高校に合格してからは、学校に通うようになったのだ。
「娘が高校に行くようになってからも、また不登校の日々に戻ったらどうしようという不安はありました。まだ、学校に行かせなくちゃいけないという思いがあったんでしょう。でも、結局は子どもを信じるしかない。親は何もすることができないんです」
‘10 年に歌手として再スタートした畑中。ソロデビュー35周年を記念して、昨年8月にCDボックスも出した。
「子どもたちも成人しましたし、結婚してから今がいちばん幸せかもしれません。いろいろありましたが、夫もすごく反省しているし、私もすごく夫に対して反省しています。子どものことしか見ておらず、ちょっとでも夫を思いやることがなかったですからね。今、引きこもりや不登校で悩んでらっしゃる方がいたら、やはり夫婦関係を見直されるのはいかがでしょうか」
子どもは、ぎくしゃくした夫婦間を敏感に感じてしまうとアドバイスする畑中。
「あとは信頼できるカウンセラーを見つけることも大切です。担任の先生は忙しいからわからないと思います。そして、学校に行かなくちゃいけないという考え方を根本から変えることも必要なことだと思います。今は不登校でも高校や大学に行けますし、学校に行かなくても多種多様な生き方ができるんですよ。そういう考え方ができると、世の中の見方が変わるし、自分自身がものすごく楽になりますよ」
インタビューの最後に、なぜ家庭内の問題を話すことにしたのか聞いてみた。
「カウンセラーの先生に“畑中さんは発信力があるから、悩んでいるお母さん方に経験談を話してほしい”と言われたことがあったんです。私がこのように話すことで、少しでも悩んでいる人の助けになればと思っています。でも、正直言いますと、インタビューに応じようか直前まで悩んでいたんです。そうしたら娘が“それは過去のことだから話していいんじゃない”って、きっぱりと言って背中を押してくれたんです。それで、迷いがなくなりました」