畠山みどり

 昨年2月からスタートした3億円豪邸立ち退きトラブルで裁判中の畠山みどり夫婦が、ついに法廷の証言台に立った。

「決して手放さなかったマイホームですが、’11 年にその土地と建物を担保に金融業者から2億円も借金したんです。なんでも、知人からの不動産投資の儲け話に乗って2億円を出資したのですが、その事業は頓挫し資金は戻ってこなかった。その件での別の裁判は畠山さんが勝訴しているのですが、貸した相手がすでにお金がなく、出資金は回収できなかった。またも借金返済に追われることになったのです」(芸能プロ関係者)

 このままでは金融業者に自宅を差し押さえられてしまうと考えた畠山は、知人の紹介で前出のA社に助けを求める。A社は3億円を貸すのではなく、彼女の土地と建物を買い上げ、それを賃貸する契約を提案。そして3億円に手数料を加えた額を払えば、再び彼女が買い戻せる契約に’11 年11月に合意したのだった。

「畠山さんは’11 年12月から’13 年7月までは家賃を払っていたのですが、それ以降は1円も支払われなくなった。A社は契約書どおり賃料を払えなければ立ち退くよう要求したのですが、畠山さん側はこの契約書は3億円を融資してもらうための便法で、実質的には売買はしておらず、立ち退きは無効だと主張したのです」(前出・スポーツ紙記者)

 午後1時20分から始まった証人尋問。原告側は契約の正当性を主張するためにA社の社長と相談役、そして仲介業者の3人が出廷。10分ほど休憩をはさみ、午後3時10分から被告側である畠山と夫のふたりが証言台に順番に立ったのだ。

 畠山は裁判官に呼ばれると、「ハイ」と一礼して証言台に着席。自宅を「45年間住んだかけがえのない不動産です」と話すと、あくまでもお金を借りるために売買契約書に署名押印しただけで、売却はしていない。そして、賃料は利息分だったと主張。

「売ったら5億円以上はする物件。手放したという意識はない」と強気な答弁を繰り返した。  だが、原告弁護士からの反対尋問では、しどろもどろになり、質問とかみ合わない部分も。「不動産登記が(畠山からA社に)移転するのはわかっていたか?」という質問に「自分のものになる日が来ると思った」と売却を認めるような発言も。

「家賃が払えなくなったらどうなると思ったか?」という質問には、しばらく無言になったあと「いい方法を考えないと、と思った……」と、小さい声で返答。さらに原告弁護士が「(自宅から)出ていかないといけないとは考えなかったのか?」という問いには、うつむいてしばらく考えると「とても余裕がなくて……」と話した。

 そして、「自宅を買い戻せなかったらどうなると思った?」と聞かれると、「申し訳ないと思いながら……」と黙り込んでしまったのだ。

「裁判官も頭を抱え込むようなシーンが多く見受けられましたね。とにかく、何とかしてA社に返済するという姿勢はまったく見られませんでした。しかも、畠山さんの後に証言台に立った旦那さんは、自宅を買い戻せずに家賃も払えないことについて聞かれると、“返済のためにお金を貸してくれるツテを探す努力をしたが見つからなかった”“貸してくれる人を今も探している”など、別のところから借金することしか考えていない感じでしたよ」(前出・スポーツ紙記者)

 約3時間半に及ぶ裁判を終えた畠山に話を聞いた。

――過去に多額の借金で苦しんだのに、なぜまた自宅を担保に借金したのですか?

「すみません、裁判中なので何も言えないんです」

――法廷に立った印象は?

「……」

――ファンの方々も心配していると思いますが?

「申し訳ないです」

 そう頭を下げると、裁判所前からタクシーに乗り込み走り去った。ある音楽関係者は、裁判の様子を聞きながらこう話す。

「彼女は悪いことをしているという意識はさらさらないでしょう。歌が売れたらポンと返せると本気で思っていますから。そう言って、今もいろんな人に借金のお願いをしていますよ。でも、今は音楽不況ですし、テレビのオファーもない。あの家を買い戻すのは、かなり厳しいでしょうね」