「炒め野菜に発がん性物質のリスクあり」という最新研究が内閣府より発表された。実は、栄養たっぷりの野菜であっても、調理法次第で毒にもクスリにも変わってしまう。
旬を迎えた春野菜で若返り効果も期待できるアスパラガスは、ゆで方にちょっとしたコツがいる。
「アスパラガスは茎の部分よりも穂先に栄養素が多い。注目すべきは美肌や老化予防効果があるアミノ酸のグルタチオン。これは熱に弱いため、穂先を熱しすぎると損なわれてしまいます。少なめのお湯で、根元から垂直に立てて、穂先を守るようにゆでてください」(管理栄養士の中沢るみ先生)
たっぷりのお湯でゆでると、水溶性のビタミンB1は58%、ビタミンB2は35%、ビタミンCは44%まで激減してしまう。
「ビタミンの流出が少ないおすすめ調理法は蒸し炒め。フライパンにアスパラガス、水大さじ2杯、油を数滴垂らして、あとはフタをして火にかけるだけ。湯気が出てから約1~2分加熱したら完成。油を垂らすと、アスパラガスに含まれる脂溶性のビタミン、βカロテンの吸収率が6倍に引き上がるほか、油がアスパラガスに薄い膜を張り、ビタミンの流出も抑えてくれます」(中沢先生)
さらに、注意したいのが保存方法。
「アスパラガスやスプラウト、豆苗などの成長が早い野菜は、収穫後でも上に向かって成長する力が強く働きます。横にして保存すると、体を起こそうとして余計なエネルギーや糖分を使ってしまい、うまみや甘み、栄養分が抜けてしまうんです。空の牛乳パックに穂先を上にして入れ、冷蔵庫で保存してください」(中沢先生)
また、若返り効果が期待できる食材はほかにも。
「90%以上が水分のなすですが、最新の研究で皮の深い紫色に若返り効果があることがわかったんです。その正体は、ポリフェノールの一種、アントシアニン。強力な抗酸化作用があり、身体中の老化を遅らせるほか、血管をきれいにする働きもあります」(中沢先生)
あまり知られていないが、なすは実ができたばかりのころはクリームがかった白色。花を咲かせた後、だんだん紫色に変わるのは紫外線のダメージから実を守るためだ。
「皮をむいてしまうと、薬効も栄養もほとんどなくなってしまいます。今は皮までプリプリと柔らかく、生で食べられる“サラダなす”も開発されているので、試してみて」(中沢先生)