【自民党憲法改正草案の注目ポイント】
Q なぜ憲法を改正しなければならないの?
連合国軍の占領下、日本の主権が制限された中で制定された憲法には、国民の自由な意思が反映されていません。実際、自衛権の否定ともとられかねない9条の規定など多くの問題を有しています。世界の国々は憲法を変えています。ドイツは59回改正しています。
Q 憲法前文をどうして直すの?
全体が翻訳調で日本語として違和感があります。内容にも問題があります。特に「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という部分です。これはユートピア的発想による自衛権の放棄にほかなりません。
Q 「戦力の不保持」や「交戦権の否認」を定めた9条2項を削るのはなぜ?
新たな9条2項として「自衛権」を追加しています。主権国家が当然持っている権利です。自衛権には、国連憲章が認めている個別的自衛権や集団的自衛権が含まれていることは言うまでもありません。自衛権の行使には何らの制約もないように規定しました。
Q 自衛隊を「国防軍」に変える理由は?
独立国家が国民の安全を確保するため、軍隊を保有することは現代の世界では常識です。当初案では自衛隊との継続性に配慮して「自衛軍」としていましたが、最終的に多数意見を勘案して「国防軍」としました。内閣総理大臣が国防軍の最高指揮官です。
Q 徴兵制をとることが可能になるの?
政府解釈で徴兵制は違憲です。徴兵制は現行憲法18条後段の「その意に反する苦役」に当たります。この文言は改正草案でもそのままの形で維持しています。文言が変わらない以上、現行憲法と意味が変わらないのは当然であり、徴兵制をとる考えはありません。
Q 表現の自由は制約されるの?
集会、結社、言論、出版その他表現の自由について、公益および公の秩序を害することを目的とした活動、それを目的とした結社を禁止する規定を設けました。内心の自由はどこまでも自由ですが、社会的に表現する段階になれば、一定の制限を受けるのは当然です。