路線別の痴漢摘発件数ランキング(都内)
それを裏付けるデータもある。警視庁が2004年と2010年に公表した路線別の痴漢摘発件数によれば、埼京線はワースト1位(2004年)、ワースト2位(2010年)である。
2010年はワースト1位を免れているが、これには理由がある。埼京線の客室内に防犯カメラが設置されて、痴漢件数が激減したのだ。「防犯カメラを設置した」という報道が、犯罪を抑止したのだろう。
ちなみに、2010年以降のデータは公表されておらず、その効果が持続しているかは不明である。うがった見方をすれば、都合の良いデータの2010年は公表して、その後は数値が悪くて公表しないのかもしれない。
あるいは、埼京線が「痴漢の多い路線」として知られたことで、余計に痴漢被害を招いてしまい、公表を取りやめたという可能性もある。
そう思わせる事件が、2014年11月17日に起きている。平塚市教育委員会の職員の男が、「埼京線なら痴漢できると思った」と、わざわざ痴漢をするために埼京線まで来たのだ。
この事件が衝撃を与えたのは、犯人が教育に携わる人間だったことと、犯行が卑劣で、迷惑防止条例ではなく、強制わいせつ罪が適用されたことだ(私自身、ここに事件の様子を描くのはためらう)。こういう事件が起きては、路線別の痴漢件数は公表できないだろう。
それにしても、なぜ埼京線に痴漢が多いのか。