ジャニーズ事務所を退所したら、その後の成功は難しい」。そんな定説が覆りつつある。約3年前に退所した元SMAPの稲垣吾郎(46)、草なぎ剛(46)、香取慎吾(43)が目覚ましい活躍を見せている。

 陰の立役者は元SMAPのマネージャーで現在は3人の所属事務所の代表であるI氏(61)にほかならない。「やっぱりIさんはデキる」。そんな声が芸能界では高まるばかりだ。
 
 どうデキるのかというと、仕事の取り方や選び方、進め方が、SMAP時代も今も巧みなのである。

Iさんの才能を否定できる人はいない

 まず、来年1月からは香取が主演するテレビ東京の連続ドラマ『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室』(月曜午後10時)が始まる。ジャニーズ事務所を離れた後の3人が地上波のドラマに出演するのは初めて。テレ東のドラマ部門は同事務所との関係が在京民放キー局の中で最も薄いので、I氏は交渉しやすかったはすだ。
 
 テレ東側にしても『あぶない少年III』(1988年)以来、33年ぶりに香取がドラマに出てくれるうえ、5年ぶりの地上波復帰作として話題になるから、大歓迎に違いない。
 
 地上波ドラマに復帰できればいいというものではないものの、内容も斬新。香取が扮する主人公・万丞渉刑事の捜査対象はこれまでの刑事ドラマにありがちだった事件ではない。ネット上の誹謗中傷や炎上で命を落とす人を救うため、顔の見えない犯人(アノニマス)を追う。今日的だ。
 
 視聴率の行方はオンエアを見るまで分からないが、手垢まみれの内容ではないので、話題になるだろう。香取にもテレ東にもプラスがもたらされるはずだ。
 
 テレ東は局内でドラマの企画を募集し、300通を超える応募の中から、『アノニマス』を選んだという。その企画者は濱谷晃一プロデューサー。遠藤憲一(59)ら名助演陣にスポットライトを当てた『バイプレイヤーズ』(2017年)や『コタキ兄弟と四苦八苦』(2020年)など話題作の数々を手掛けてきた人で、他局からも一目置かれているヒットメーカーだ。

 そんな敏腕プロデューサーとI氏がタッグを組めば、怖いものなしだというのは、I氏と仕事をしたことがあるフジテレビの制作スタッフ。

Iさんは誰と一緒に仕事をすればいいかが分かる人。企画書も脚本もその良し悪しを即断できる。企画書を見た途端、共演者は誰がいいかまで、すらすらと口にする。その才能を否定できる人はエンターテインメント界にいないでしょう」(フジテレビ制作スタッフ)
 
 一部で「3人が地上波に出られなくなったのはI氏が煙たがれていたから」と報じられたが、I氏を知る複数の人物がこれを一笑に付す。

「好き嫌いで仕事をする人間なんて、どんな業種であろうが、いないでしょう。Iさんは仕事熱心な人なので、確かに厳しい一面もありますが、それと仕事をする、しないは別問題」(同)