「朝の清々しい情報番組ですから、うちなんて不倫関連はなるべく取り上げないようにしている。それなのに2月4日の朝のテレビ朝日……。あそこまで放送すると、何らかの大きな恨みを感じてしまいますね」

 他局の情報番組デスクが、首を傾げるニュースがあった。

 TBS系の看板報道番組『news23』のメインキャスターを務める小川彩佳フリーアナウンサー(35)の夫が不倫に溺れているというニュース。2月4日発売の『週刊文春』が放った。

「前日に文春の早刷りが届きました。小川アナはまったく悪くないのですが、夫は一般人ですから、報じる場合は小川アナの名前が前面に出るわけです」(スポーツ紙記者)

 衆議院議員の息子で、東京大学医学部出身の医師という超エリート。遠隔医療サービスを手掛ける会社を仲間と立ち上げ、2019年12月に東証マザースに上場を果たし約180億円の含み益を得たと言われている。'19年7月には小川アナと結婚し、'20年7月には第一子が誕生している。

 何不自由のない、非の打ちどころのない幸せな人生&結婚生活の裏で、夫は不倫に陥っていた。

「週刊文春が何年もかけて取材をしていた跡が、記事からもわかる。ぐうの音も出ない詳細がつづられていますからね」

“恨み”の過剰報道

 その記事をスポーツ紙の芸能面が後追い記事にし、ワイドショーも追随したのだが。

 タレントの坂上忍(53)が司会を務めるフジテレビ系『バイキングMORE』では、タレントの薬丸裕英(54)が「何も悪いことをしていないのにかわいそうで」と小川アナをかばうコメントを発信していた。

「ところが、テレビ朝日の朝の番組『グッド!モーニング』はえげつなかったですね。3時間5分の放送時間、『朝いちエンタメ』『朝刊注目見出し』『けさ知っておきたい!ニュースまとめ』『ストライクニュース』と、4つのコーナーが取り上げたんです。それも文春の記事を引用してまで。スポーツ紙の記事をサラッと伝えるならまだわかりますが、文春の記事を引用するとなるとカネもかかりますからね。ちょっとしつこい報道でした」(前出・情報番組デスク)

 特に7時台(テレビ局の作り手としては、登校前の子どもも見ていると想定する時間帯)の『ストライクニュース』では、CMをはさんで7分間の尺。

 前出・情報番組デスクが付け加える。

「数字が取れるタレント、例えば嵐のニュースであればここまで尺を取ることはあり得ましたが、フリーアナの、しかも一般人の夫の不倫でここまでとは……。はっきり言って、“過剰報道”ですよ」

 その裏には、テレビ朝日側にはかつて、小川アナに一杯食わされたというじくじたる思いがある。そう指摘するのはスポーツ紙放送担当記者である。

「小川アナは2007年にテレビ朝日に入社した。  '11年4月からは局の看板番組『報道ステーションの』サブキャスターを7年半務め、局内では将来のエース格と目されていた。'19年2月に結婚と退社を発表し、小川アナも局内には、しばらく仕事はしないでプライベートを楽しむと報告していたんです。ところが……」

 その4か月後の6月3日、TBS系『news23』のメインキャスターに就任してしまったのだ。

「あのときのテレビ朝日内部の驚きは、すさまじかったですね。すっかりやられた、とあきれ返っている人もいましたね」(前出・スポーツ紙放送担当記者)

 その恨みつらみがマグマとして地層化していた上での、今回のテレビ朝日の“過剰報道”。何かあるんだろうなと思わせるに十分な力の入れようだった。

〈取材・文/薮入うらら〉