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ー 表面的にはド派手なデビューだけど

 

 もしかしたら、歴代最も「実感がわかない」デビューなのかもしれない。

 日本時間10月28日13時、『JUST DANCE!』と、tofubeatsらの手によるそのリミックスバージョン2曲の計3曲を“全世界配信リリース”しデビューを飾ったTravis Japan。通称“トラジャ”。

表面的にはド派手なデビューだけど

 Travis Japanは2012年にマイケル・ジャクソンの振付師であったトラヴィス・ペインとの縁からメンバーとグループ名が決まった7人組グループ。結成時からそのダンスパフォーマンスには定評があり、結成から10年以上にわたり経験を積み重ねてきた。

「少し前のジャニーズJr.界隈では、そのメンバーの構成から、Snow Man、SixTONESと並ぶ“兄組”と呼ばれることがあった存在で、ついにというか、よかったねという思いはあると思いますが、世の中的にはジャニーズの新グループがデビューする! というお祭り感はあまりないのではないでしょうか」

 と、ジャニーズ事情に詳しいあるテレビ誌記者は言う。

 Travis Japanは、そのパフォーマンスに磨きをかけるため、今年の3月よりLAに“留学”、その期間は“無期限”とされていたなかでの世界デビューというかたちとなった。

「アメリカで何らかの実績を積んだことを手土産に凱旋デビューという形になるのかななど噂されたりしていましたが、留学中の世界デビューというのは驚きました(笑)」(同)

 世界デビューというと聞こえはいいが、キンプリやなにわ男子、スノスト同時デビューといった近年のグループデビューのにぎやかさを思うと、肝心の国内でのデビューの実感は正直乏しいかもしれない。

「歌番組や情報番組、バラエティーなどの露出もほぼありませんし、デビューに合わせた国内での大規模なライブが行われるわけでもない。そしてCDデビューというかたちではないため、CDショップ店頭などでの展開もなかなか難しい。ジャニヲタの中でも、配信デビューが決まったことは知っていても、『え、今週だったの!?』ぐらいの感覚のようです」(同)

 ジャニーズの変化球デビューといえば、過去には2012年にA.B.C-Zがジャニーズ初のDVDシングルでのデビュー(初CDの発売は2015年)や、タッキー&翼がミニアルバムでアジア数カ国同時発売といったものが挙げられる。しかし今回のTravis Japanデビューはそれらとはまた違うカタチとなった。

「近年のデビュー組は、King & Prince、Snow Man、SixTONES、なにわ男子といずれもかなりのビッグセールスを叩き出しているグループばかりです。一般的な視点では十分合格点の売り上げ枚数だとしても、これらのグループを仮に大きく下回ってしまったらどうか。その保険というか、通常と違うかたちでのデビューのスタイルが選ばれるのではないでしょうか」

 と、スポーツ紙の元ジャニーズ担当記者は分析する。

 華々しいようでどこか冷遇されていそうに感じてしまうTravis Japanデビューだが、ファンの熱量は高い。前出のテレビ誌記者は言う。

「『MyoJo』の毎年の恒例企画、Jr.大賞では、トラジャメンバーが上位を独占、全員トップテン入りするなど大躍進をみせ、YouTubeチャンネルの再生数もほかのJr.のグループより多いぐらいです」

 それだけに、海外留学と配信でのデビューはファンにとって“遠い”と感じてしまうことが多いという。ファンにとっては、アメリカに行ったままのグループよりも、ライブに行けるグループ、つまり生で見たいという願望があるのは当然だ。

「CDデビューだったら、何枚、何十枚も購入することで応援の意思を伝えられますが、配信だとアカウント数を作るのに限界があり再生数を稼いであげることもできず、“どう愛情表現をしたらいいのか”と困惑しているようです。配信で“世界○か国で1位!”など、箔を付けたいところだろうが、ファンのモチベーションが爆上がり、という感じではないかもしれませんね。ただ各国で想像を超えるような反響があったら凱旋帰国して、そのときには国内でのCDデビューとツアーといった流れができるかもしれませんね」(同)

 11月7日の『CDTVライブ!ライブ!2時間SP』(TSB系)に生出演することが決定したが、表面的にはド派手な世界デビューも、ファンの心理は複雑だ。

〈取材・文/渋谷恭太郎〉