目の敵! 紫外線はサングラスで防御
1年で最も強い紫外線にさらされる季節が到来。女性にとって、シミやシワの原因となる美肌の敵だが、実は、目にとっても大きな害を及ぼす怖い存在。
紫外線にはUV-A、UV-B、UV-Cの3種類あり、このうちUV-Cはオゾン層で吸収され地上にはほとんど届かないため問題なし。ところがUV-Aは、肌を黒くする紫外線で、目の奥側にある水晶体や網膜まで届く。
時間をかけて蓄積され、白内障や黄斑変性など眼病の原因となることがわかっている。またUV-Bは肌を赤くする紫外線で、目の表面にある角膜に吸収されて、まぶしさや充血、ドライアイ、眼精疲労などを引き起こす。
となれば、子どもからお年寄りまで目の紫外線対策はマスト!! なかでも、最も有効な対策がサングラスをかけることだ。サングラス選びはレンズのUVカット率が重要ポイント。サングラスだからといって、必ずしもUVカットレンズを使っているとは限らないのでよく確認してから購入を。
また、レンズの色は濃いほうが紫外線を防ぐ効果が高い? と思われがちだが、関係ないそう。メガネブランド『Zoff』広報の田中温子さんによると、
「色はまぶしさを抑える役割はあっても紫外線カット率とは無関係。逆に、黒やこげ茶などの濃いレンズを使っていると目の瞳孔が開き、サングラスをはずしたとき紫外線を吸収しやすいおそれも指摘されています」
Zoffには紫外線を100%カットする色の入らないクリアレンズのサングラスもある。
「色つきレンズが気恥ずかしい人も伊達メガネ風に使えますよ」(田中さん)
ほかにも、ふだんはクリアだが紫外線を浴びるとサングラスになる調光レンズ、路面の反射を抑えて車の運転がしやすい偏光レンズがあり、UVカット率も高いので賢く使い分けよう。
もちろん、せっかくなので好みのフレームやレンズでサングラスのおしゃれも楽しみたい。似合うかどうか正直に素直に感想を述べてくれる友人を連れていくか、スタッフに相談を。「レンズの色でメガネ以上にイメージが変わるので、たくさん試しながら選んでください」(田中さん)
・レンズの紫外線カット率は高いほうがいい。
・レンズの色は紫外線カット率に関係ナシ。
・濃い黒、茶色のレンズは、はずしたときに紫外線を吸収しやすくなるおそれも。
・フレームは大きいほうがより紫外線をカット。
・顔と同じ形のフレームは避けるのがベター。
・顔の幅とフレームの横幅を合わせる。
・曇りの日や秋冬、通勤通学用に紫外線をカットできるクリアレンズのメガネを。
スマホチェックにもブルーライト対策を
ブルーライト対策といえば、仕事でパソコンに長時間、向かう人に必要と思っている人も多いのでは? しかし、スマホでSNSや情報チェックにいそしむアナタも、携帯ゲーム機で遊ぶ子どもたちも、ブルーライトを浴びている。
ブルーライトとは、その名のとおり青色の光で、人の目に見える波長の光を指す『可視光線』の中で紫外線に最も波長が近く、エネルギーが高い。液晶画面やLED電球からも多く出ている。近年、私たちがブルーライトを浴びる時間は驚くほど増えているのだ。
ブルーライトは発生源と目の距離が近いほど浴びる量が多くなり、光から瞳を守ろうと瞳孔が狭まるのでパソコンやスマホ、携帯ゲーム機を使うときは影響大。
Zoffの田中さんによれば、
「近くのものを見ると、目のまわりの筋肉が緊張して疲れ目になりやすい。それに、画面がちらつくのでピントを合わせる回数が増え、頭痛につながることも。また、画面そのものを凝視することで瞬きが少なくなり、ドライアイや肩こりの原因となっているとも言われています」
さらに、高エネルギーのブルーライトは目の奥にある網膜まで届いてダメージを与え、やがては加齢黄斑変性を引き起こすおそれも。ブルーライトを浴びる量をできるだけ少なくする工夫が必要だ。
それには、液晶画面を見る時間をへらすのが手っ取り早いのだが、この時代になかなか難しい。そこで、発生するブルーライトを軽減するシートを画面に貼る。または、ブルーライトをカットするメガネをかける。
メガネなら自分がかければいつでもどこでも、すべてのデジタル機器への対策ができるのがgood。ブルーライト対策専用のメガネを購入するか、対策できるレンズを度つきにして、好みのフレームに組み合わせてオリジナルのメガネを作ることも可能だ。
また、栄養面からブルーライトや紫外線のダメージをケアすることも考えたい。ルテインとゼアキサンチンは医学会でも黄斑変性や白内障の予防、改善に効果があると認められており、オメガ3脂肪酸は目の組織を守るという報告が出ている。日ごろのケアと心がけで、いくつになっても美しい景色や感動のシーンを見つめるために、健康な目を保ちたい。
目にいい栄養素が入った食品はコレ
【ルテイン】
抗酸化作用をもつ天然色素。水晶体や網膜、黄斑部に多く存在し、ブルーライトや紫外線を吸収する働きがある。体内で生成できず、ホウレンソウ、ブロッコリー、芽キャベツ、カボチャなどの緑黄色野菜に多く含まれる。脂溶性でオイルを使った料理がおすすめ。
【ゼアキサンチン】
ルテインの“構造異性体”と呼ばれる天然色素で、ブルーライトや紫外線のダメージから水晶体や黄斑部を守る。ホウレンソウやブロッコリーでルテインとともに摂取できるほか、ダントツで含有量が多いのはパプリカ。鶏卵、レバーなどにも含まれる。
【オメガ3】
DHA、EPA、αリノレン酸があり、抗酸化作用をもつ。イワシ、サバなど青魚の魚油に含まれるDHAやEPAは、網膜にある錐体細胞、桿体細胞を守る役割が認められている。αリノレン酸はエゴマ油、亜麻仁油、くるみで摂取を。熱に弱く、火を通さない料理がベター。