6月に美容情報サイト『美レンジャー』が行った「汚肌(おはだ)が気になる女性芸能人」アンケートで、上位に小泉今日子、桐谷美玲、真木よう子といった人気美人女優がランク入りした。
確かに、3人とも肌修正のきかないテレビでは肌の凹凸や肌荒れが目立つことが多く、以前からSNSなどでよく指摘されている。
売れっ子女優ならば収入もあり、しっかりとぜいたくなケアをしているようなイメージだが、やはり美を売りにしている女優でさえ、体質や生活習慣などが悪ければ“汚肌”になってしまうのか? 肌トラブルについて美容外科「高須クリニック」高須克弥院長に話を聞いた。
――ズバリ、小泉さん、真木さん、桐谷さんの肌を見て、院長はどう思われますか?(と、3人の写真を見せる)
高須「ずいぶん肌荒れしてるね~。でも芸能人っぽい肌かな!」
――芸能人は美肌、という印象ですが、芸能人っぽいとは……?
高須「肌荒れやニキビはストレスに反応するんだよ。よってストレスや悩みごとが多い芸能人は肌荒れして然り、と」
――メンタルと肌は連動しているんですね。
高須「そう、ストレスは美肌の大敵です。しかも芸能活動なんて、生活リズムが毎日違うでしょ? 今日は深夜までだったら、翌日は早朝集合とかザラだし。そうなると睡眠不足や睡眠障害になりやすく、食事の時間もバラバラになる。しかも撮影用のメイクは肌に負担の大きいものだし、芸能人なんか肌荒れする職業のトップクラスだよ」
――そうなんですね。ところで身長163.5センチ、体重39キロといわれる桐谷さんは、細い方が多い女優陣の中でもかなりの痩せ型です。この点は肌と関係があるものなのでしょうか?
高須「トマトとドライトマトを考えてみてよ、中身がないとシワシワになるでしょ? ある程度の肉付きは肌の張りにマストです! あまり痩せるとドライトマト肌になるよ~」
――なるほど! さらに桐谷さんの肌はニキビ跡のような凹凸も目立ちますね。
高須「確かに頬などがクレーター状になってるね。これは化粧品じゃ直らないので、毛穴や肌の凹凸に有効な最新機器のフラクセルというレーザー照射が効果的だね。これはダウンタイム(施術してから回復するまでの時間)も不要だし、桐谷さんみたいな売れっ子がいっぱいやってるよ」
――やはり、女優さんは肌ケアがマストなんですね。ところで、真木さんは痩せたり太ったりと体重変動のあるタイプのようですが、体重の増減を繰り返すと肌にも影響がありますか?
高須「中身が満ちたり減ったりを繰り返すと、皮膚はそう伸び縮みしないから、縮んだことでシワっぽくなって、そのうちにどんなに太ってもシワだけ残るよ。ところで真木さんと小泉さんは喫煙者?」
――はい、ヘビースモーカーというウワサがあります。
高須「やっぱり! 2人とも顔の鼻から下がシワっぽいでしょ? こういうのって喫煙者に多いんです」
――タバコの害が体内に回り、肌に出るということでしょうか?
高須「血管に影響があるからそうとも言えるんだけど、もっと直接的な影響として、タバコという細いものを吸うには、口唇をぎゅ~っとすぼめるでしょ? アレがお婆ちゃんの梅干しみたいな口元を作るんです。タバコを吸う本数が多い人ほど、口元のしわになるよ」
――そうなんですか! まさか吸うという行為でシワになるとは……何か肌を一発逆転できれいにするようなものはないのでしょうか?
高須「肌は毎日のケアの積み重ねと、困った箇所にはメディカルケアなどで対処するのが一番です。だから、メイクをしている時間を短くするとか、ちょっとしたことを続けないと」
――メイクをしている時間も関係するんですね! では、「つけて寝たままOK!」といったキャッチコピーのファンデーションを塗って寝化粧も避けたほうがいいですか?
高須「肌は老廃物を出す場所なんだから、それを封じ込めて一晩越すような寝化粧は論外だね! みんな化粧水だクリームだってところに気が行ってるけど、それより先に、肌には負担でしかないメイクはきちんと落とすことこそ大事!」
――メイクアップよりメイクダウンに時間をかけることが重要で、そうしないと何を塗っても意味がないんですね。これは今この記事を読んでる読者に声を大にして伝えたいです。ところで、“汚肌”の予防法は年代で違うものでしょうか?
高須「年代や肌質でケアは少しずつ違うものだけど、共通していることは、僕がこの連載の美熟女記事でいつも言っているUVケアをすること!(*美熟女記事は関連記事の1、2本目をご覧ください) それとエアコンをかけすぎず室内の湿度は適度を保つことと、保湿! あとは栄養バランスのいい食事にきちんと寝ること。これを守れば肌だけじゃなくメンタルにもいいし、みんな美熟女になれちゃうよ」
――若いから日焼けしてもいいわけではないんですね。
高須「そう、肌に良いことも悪いことも、次の10年の肌のベースになるんだよ。だから、丁寧なケアをした20代は美しい30代に、30代は40代に、40代は50代に……と、未来の自分へ投資してるわけ。ケアはていねいに、対策が早ければ早いほどきれいが保てるよ!」
<プロフィール>
高須克弥(たかすかつや):
1945年愛知県生まれ。高須クリニック院長。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。脂肪吸引手術など世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。金色有功章、紺綬褒章を受章。『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)、『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)、『ダーリンは70歳/高須帝国の逆襲』(Kindle版)、『行ったり来たり僕の札束』(小学館)。最新刊は『ダーリンは71歳・高須帝国より愛をこめて』(小学館)