ドラッグストアやコンビニなどでよく見かけるエナジードリンクや栄養ドリンク。お疲れぎみの身体をシャキッとさせてくれそうですよね。でも、たくさんあるのでどれをどのくらい飲んだらいいのか、迷ったことはありませんか?

各ドリンクの特徴は?

栄養ドリンクとエナジードリンクの違いとは?

「明確な定義はありませんが、栄養ドリンクが総称で、その中にエナジードリンクというカテゴリーがあります。栄養ドリンクは大きく医療系と非医療系に分かれます。非医療系の『炭酸飲料』の中で価格がやや高めで成分が特徴的なものが『エナジードリンク』といわれています」(深野さん)

風邪薬とドリンク剤の併用はOK?

 風邪のとき、食事のかわりにドリンク剤を飲む人もいるのでは? しかし、風邪薬との併用は基本的にNGなんだとか。

「風邪薬にもカフェインが含まれているため、ドリンク剤でもカフェインをとってしまうと副作用を招く可能性があります」(松永さん)

 ただし、効能の欄に「発熱性消耗性疾患」と書かれたドリンク剤は飲んでもOKだが、用法用量をきちんと守ること。

夏バテを解消するドリンクは?

 酷暑とも予報されている今年の夏。暑さで食欲が湧かず“夏バテ”ぎみに。

「大量に汗をかいて失った栄養成分をドリンク剤で補うことができます。成分表示に疲労回復の効果があるクエン酸や、体内吸収率を上げるアルギニン、ビタミンB群、ビタミンCを含むドリンクを選べば、夏バテ解消につながります」(深野さん)

 身体にだるさを感じたタイミングに飲めばOK。胃腸が弱い人は食後の摂取が安心とのこと。

男性機能が衰えた夫にオススメの1本は?

 年齢とともに男性機能が衰えるのはしかたがないけど、夫が元気になる方法はあるの?

「男性機能を上げるには、血管を拡張するアルギニンの摂取が効果的です。ただ、アルギニンだけでなく、GTPという核酸成分を一緒にとる必要があります。白子にはGTPが多く含まれているので、アルギニン入りのドリンク剤と白子や核酸入りサプリメントをとることで、効果が出てくるかもしれません」(松永さん)

 即効性がある対策ではないそうですが、いざというときの準備としては有効でしょう。

アルコールで割ってもOK?

 最近、飲食店で見かける“エナジードリンク割り”。お酒をドリンク類で割っても問題ないの?

エナジードリンクで割ったアルコール類は、他の飲料よりも血中のアルコール濃度を高めるという報告があります。また、エナジードリンクに多く含まれるカフェインには“酔い”を感じにくくさせるため、よけいにアルコールを摂取してしまいがちです。栄養ドリンクも同様なので、これらで割って飲むのはオススメできません」(松永さん)

子どもにドリンク剤を飲ませてもOK?

 栄養ドリンクやエナジードリンクで、テスト前の集中力をアップさせたい、というお母さんもいるけれど、子どもに飲ませる場合は注意が必要だとか。

カフェインは子どもの身体の発育を阻害する可能性があり、市販のドリンク剤にはカフェインが含まれていることが多いんです」(深野さん)

 子どもに飲ませる場合は、ノンカフェインの子ども用ドリンク剤を選んでほしいとのこと。

ドリンクを飲んだあとに尿が黄色くなるのはなぜ?

 ドリンク剤を飲んだあと、尿の黄色さに驚いた経験がある人もいるはず。こんなに黄色くても大丈夫?

「エナジードリンク・栄養ドリンクを飲むと、ドリンクに含まれたビタミンB2が尿として排出されます。尿として出るのは余分な栄養成分なので、心配ありません」(深野さん)

『どれ飲む? いつ飲む? エナジードリンク・栄養ドリンクのすべて』松永政司・深野真季子共著 (税込み999円 育鵬社刊)シーン別エナジードリンク・栄養ドリンクの飲み方から各ドリンクの特徴まで、すべてを網羅した一冊。※記事の中で画像をクリックするとamazonの紹介ページに移動します

<教えてくれたひと>

松永政司さん◎NPO法人遺伝子栄養学研究所理事長。京都大学工学博士、昭和大学医学博士。核酸の研究開発・普及に努める。『核酸が健康寿命を伸ばす』(致知出版社)など著書多数。

深野真季子さん◎管理栄養士・フードスペシャリスト。栄養学を専門に学び、北海道産機能性食品開発推進コーディネーターを経て、現在はNPO法人遺伝子栄養学研究所の管理栄養士を務める。