気づけば7月も最後の週末。「8月に休みができたけど、もうどこも空いてないよね?」。 いやいや、尻込みしてちゃもったいない! 人一倍お得で充実した夏旅を満喫できる秘訣を、どど~んとお届けしちゃいます!
北海道&沖縄、海外リゾート地が人気!
大人も子どもも待ち遠しい夏休みシーズンが到来。心躍る旅の予定がお決まりの人も、まだの人も、気になるのはあのスポット──。
週刊女性のアンケートで「理想の夏旅」について尋ねたところ、国内で行きたい・行くつもりの場所は、1位が北海道、僅差で2位が沖縄という結果に。
北海道派は「夏だからこそ涼しい北の大地へ! 函館の夜景を見て、のんびりしたい」(20代女性)、「寿司やカニ、帯広の豚丼など美味しい料理をたくさん食べたい」(20代男性)。
沖縄派は「小さな離島に行って波打ち際でちゃぷちゃぷ」(30代女性)、「宮古島の真っ青な海で泳いで、夜は豚肉料理とソーキそばを堪能!」(40代男性)。
大手旅行会社『クラブツーリズム』国内コミュニティ旅行センター支店長の松村貴夫さんによると、
「この2つは不動の人気。今年は沖縄が差を縮めましたが、例年では北海道ツアーがダントツです。暑さから逃れ快適に過ごしたいという願望からか、涼しい高原地帯や信州も好まれます」
加えて今年は、静岡や愛知などの中部地方を選ぶ人も多いとか。旅行ジャーナリストの村田和子さんは、
「毎年、大河ドラマに関連した場所は人気に。今年は直虎ゆかりの地である静岡・浜松に足を運ぶ人が増え、また4月に名古屋にオープンしたばかりの『レゴランド』も家族連れを中心に注目されていますよ」
一方、海外で行きたい場所はハワイやバリ、タイ、台湾など、主に近場のリゾート地が複数票を集めた。
「ハワイやバリのような南国で何もしない時間を満喫したい」(40代男性)、「台湾、再訪。近いし安いしショーロンポーうまいし!」(30代男性)、「タイでカニカレー、本場カオマンガイ」(40代女性)、「バリ島。ビーチ沿いでプールが充実したホテルが予算内で取れたから。ラフティングもしたい」(40代男性)。
前出の村田さんは、「テロも頻発している中、安全面を考えると、どこがオススメとは明言が難しい」としながらも、こんな耳寄り情報を。
「今年、マレーシアのLCC(格安航空会社)『エアアジアX』がハワイとバリ行きの直行便を就航しました。成田発のバリ便の最安値は、片道1万円台と破格。私も、8月頭という夏休みど真ん中にバリへの渡航を検討しましたが、その際は片道3万円ほどでした」
価格は予約状況で変わるが、大手航空会社の3割程度で渡航できることもある。
「今年は8月11日金曜日が山の日で、そこから土日を挟んでお盆休みに突入。そのため、出国は10日の夜から11日にかけて集中しそうです。少しでも時期をずらせば、安く航空券が手に入る可能性も」(村田さん・以下同)
休めるのはお盆だけ……という人は?
「お盆は日本特有の行事なので、海外での宿泊代は通常の夏休み期間と同程度。航空券をうまく手配できれば、思ったより安く海外旅行ができるかもしれません」
夏旅は価格以上に内容重視の傾向に
前述のアンケートによれば、国内派、海外派ともに夏旅のプランは意外と堅実。
下のグラフのとおり国内の旅行日数では「3日」が半数を超え、予算は「3万~5万円」「5万~10万円」が7割を占める。海外は日数が「4日以上」に集中、予算は「5万~20万円以内」で収めたいという人が約8割。大盤振る舞いはできないけれど、多少の余裕を持って夏旅に臨みたい、と考える人が多いようだ。
旅費は安いに越したことはない、と思いきや「夏旅は価格重視か内容重視か」と尋ねると、3対7の割合で内容重視派が圧勝! 前出の松村さんによれば、
「特に女性は費用対効果を考えて旅を選ぶ傾向にあります。ツアーにしても、ただ値段を比較するのではなく、めったに予約が取れない旅館に泊まれる、絶品料理が食べられる、個人では行けない場所に行けるなど“これならお金を出してもよい”と思えるかどうかで判断しているようです。行き先は同じでも、内容次第ではトータル価格の高いツアーが先に埋まることも」
「価格以外で、夏旅で選ぶポイントは?」という質問には、「宿とグルメ」の回答が飛び抜けていて、「名所・旧跡・世界遺産」が次に続く。
「最近は旅慣れている人も多いので、名所や旧跡をただ回るだけなど、ごく普通のツアーはなかなか売れません。逆に、神社仏閣へ参拝した証を集める“御朱印巡り”や“恐山でのイタコの口寄せ”など変わった体験ができたり、テレビCMに登場するスポットに入れたりと特別感がある“テーマ旅”は盛況です」(松村さん)
実際、テーマ旅に興味がある人は多いよう。アンケートでも、「映画の撮影現場を巡り、キャストと同じ場所・同じ構図で撮影できる旅に行きたい」(20代女性)、「ご当地スーパーを巡る旅。地域によって売っているものが違うし、本当に楽しい」(30代女性)、「ビキニ美女と行く男女共同生活サバイバルツアー」(40代男性)などと、おもしろいプランが飛び出した。
「値段設定が高めの贅沢ツアーは夫婦で。安・近・短にプラスしてちょっとおしゃれだったり、ユニークなテーマが設定されていたりするツアーは、友人同士やおひとりで参加されることが多いです。単純な安さより、払ったお金以上にお得感がある“コスパのよい旅”を求めているのでしょう」(松村さん)
3週間前予約でお得旅をゲット!
予算以上に満足できる「コスパのよい旅」を実現するには、どうしたらよいのか。前出・村田さんがオススメするのは、『ダイナミックパッケージ』の利用。飛行機(※一部列車)と宿泊を組み合わせて自分で作る旅行商品のことだ。前出の村田さんは、
「普通のパッケージツアーに比べ自由な旅程を組めるうえに、料金が空席や空室の状況で変動するため、組み合わせや予約時期を工夫することで、より安く手配をできる点が魅力。同じ出発日でも、飛行機が1時間違えば1万円の差が出ることもあります。楽天やじゃらんなど旅行検索サイト、JALやANAのホームページ、JRは『えきねっと』から予約できます」
うまくいけば、往復のチケット代に宿泊がセットでも、格安の往復チケット代より安いこともざらにあるという。
「飛行機に安く乗ろうとするとき、予約時期が早いほど安くなる『早割』が思い浮かびますよね。ダイナミックパッケージは比較的、間際でもお得に予約でき、狙い目は出発の3週間前。これは国内ツアーのキャンセル料が発生するタイミングで、需要がある程度はっきりします。空席が多い便は、予約を埋めるため、価格がグンと安くなると思われます」(村田さん)
例えば、「今週末、急に休みが取れた!」なんて場合には、さらに奥の手が。
「旅行比較サイト・トラベルコの『ファイナルコール』をチェックしてみましょう。日にち限定ですが、各旅行会社が在庫をさばき切るための激安パックが放出される日もあるので、見逃さないで」
さっそくチェックしてみると、東京─京都の往復新幹線代にホテル宿泊費込みで2万円を切るなど、お値打ちプランがズラリ。コスパ旅を狙うなら利用しない手はないだろう。
移動手段自体を楽しむ旅も◎
今からでも狙い目の夏旅プランとして、中高年に根強い人気のバスツアーはどうか? “安くて手軽”なイメージだったが、度重なる事故を経て、最近はバス会社も乗客も安全意識が変わってきた、と村田さん。
「規制が強化され、安全担保にコストがかかるので、バス会社もこれまでの格安プランでやっていくのは厳しくなりました。そこで価格以外のサービスを追求する方向に舵をきっています。魅力ある内容にするほか、ラグジュアリーバスにも力を入れています。
格安ではないものの、足元ゆったり、座席が独立、映画鑑賞やゲームができる液晶付き、化粧室完備など、ストレスを感じることなく過ごせるものが増え、バス旅のイメージがぐっと変わってきています」
安全性を見極めるには、
「日本バス協会が’11年に始めたセーフティバスマーク(貸切バス事業者安全性評価認定制度)の有無が、ひとつの目安となります。貸切バス会社の安全への取り組みを評価し認定・公表するものなので、このマークのステッカーが貼ってある事業者から選ぶのが安心」
バスツアーは飛行機などと比べ、前日まで予約できたり、日帰りコースも豊富だったりと駆け込みにバッチリ。
一方で、渋滞にあう心配がなく、ゆったりと流れる時間や風景を味わえる鉄道の旅も捨てがたい。
村田さんは、「サプライズな体験ができる、観光列車はどうですか?」と提案する。
「最近は移動時間を楽しむのもトレンドのひとつ。全国各地で趣向を凝らした観光列車が次々に運行し、注目されています。内装や外装に凝ったもの、ご当地の食や文化に触れられるもの、運転席が見渡せる電車好きにはたまらないものなど、いろいろな列車がありますよ。一流シェフの料理つきなど、それなりのお値段がするものもある一方、乗車券にプラス300円程度、なかには乗車券のみで乗れる列車も多いんです」
今年こそ憧れのクルーズ旅へ!
一風変わった夏旅を体験したいなら、「今年はクルーズ旅がアツい!」と村田さん。
新幹線や飛行機に比べなじみは薄いが、
「’17年は秋にかけて、イギリスやイタリアなどの大型外国船が日本発着クルーズを就航します。これは今までにない多さです」
クルーズ旅というと、100万円近くかかったり、リタイアしたセレブ夫婦の豪華旅行というイメージだけど、実は、コスパ面ではピカイチなのだ。
「基本的にクルーズ代金には移動費、宿泊費から船内での食費、エンターテイメントショー、プールやジム利用まで含まれています。5泊6日、7泊8日など、やや長旅のプランが主ですが、料金は1泊あたりに換算すると1万円台。夕食はフルコースで、プールサイドで夜食をいただいたり、海を眺めながらランニングやフィットネスも楽しめて、いたれりつくせり! 外国船は日本各地の港に加え、必ず海外に寄港します。船に荷物を置いたまま身軽に観光も楽しめます」
数千人を運ぶなど、定員が多いので、これから予約してもまだ間に合うという。
<教えてくれたひと>
村田和子さん◎旅行ジャーナリスト。情報サイト『All About』旅の準備、お得、便利ガイド。消費者視点での旅の魅力や楽しみ方をテレビ・雑誌など年間100以上の媒体を通して紹介
松村貴夫さん◎旅行会社『クラブツーリズム』国内コミュニティ旅行センター支店長。’00年に入社後、カナダ、エジプト、北陸、長野などへの旅行企画担当なども務めてきた旅のエキスパート