渡辺直美が主演を務める『カンナさーん!』(TBS系 毎週火曜夜10時~)第1話が、同枠で放送された『逃げ恥』の初回視聴率を上回る12・0%を記録し、話題を集めている。ほかにも夏ドラマには数多くの芸人が出演中。
「コント出身の芸人はいろいろな設定を演じているとあり、リズムと間がいいんですよね。役者やドラマスタッフからも評価が高いですよ」(プロダクション関係者)
それを裏づけるように、今期だけでも今野浩喜、じろう、やついいちろう、中岡創一と、コント日本一決定戦『キングオブコント』優勝者&決勝進出者が4人も出演。一方、『M-1』優勝者は徳井義実のみ。また、こんな需要も。
「原作のあるドラマだとビジュアル重視でキャスティングすることも多いため、渡辺直美さんのようなぽっちゃり女芸人の需要も増えています」(テレビ局関係者)
芸人ならではの個性的なキャラクターで、ドラマ業界でも引っ張りダコ。これからも芸人俳優の需要はますます増えそう。
渡辺直美:『カンナさーん!』(TBS系 毎週火曜夜10時~)でゴールデン帯ドラマ初主演。雇われデザイナー&ママ役を熱演中。
じろう(シソンヌ):『カンナさーん!』でカンナ(渡辺直美)の夫(要潤)が社長を務めるCG制作会社で働くお調子者の社員を演じる。
やついいちろう(エレキコミック):『ひよっこ』(NHK総合 月曜~土曜朝8時~ほか)で、ヒロイン・みね子(有村架純)が働く『すずふり亭』のコック役で本格的な役者デビュー。
板尾創路:『僕たちがやりました』(フジテレビ系 毎週火曜夜9時~)に出演中。裏社会で暗躍する悪徳弁護士役。
有田哲平:連ドラ主演は「最初で最後!?」と語る。『わにとかげぎす』(TBS系 毎週水曜夜11時56分~)で独身で童貞の38歳というクセの強い役柄に体当たりで挑戦している。
徳井義実:『セシルのもくろみ』(フジテレビ系 毎週木曜夜10時~)でヒロイン(真木よう子)が信頼を寄せているジェンダーレスのカリスマメイク役で新境地を開拓。コント出身の芸人が多数を占める中、数少ない『M-1』王者で俳優業を行う。
安藤なつ(メイプル超合金):『脳にスマホが埋められた!』(日本テレビ系 毎週木曜夜11時59分~)でアパレル会社に勤務するヒロイン(新川優愛)の同僚役で出演中。
中岡創一(ロッチ):『ハロー張りネズミ』(TBS系 毎週金曜夜10時~)で地上波連ドラレギュラーデビュー。スナック『輝』のマスター役をのほほんと演じる。
イモトアヤコ:『ウチの夫は仕事ができない』(日本テレビ系 毎週土曜夜10時~)で松岡茉優演じるヒロインと病院で知り合い、仲よくなったマタニティー友達役を好演している。
今野浩喜にインタビュー
お笑いコンビ・キングオブコメディ時代には『キングオブコント2010』で優勝。そのコントで培った演技力を生かし、現在は俳優として映画やドラマに引っ張りダコの今野浩喜。
「芸人として知ってもらえていることで、役者としては横入りさせてもらっている感じ。マイナス面を挙げるなら、制作発表などで芸人だから面白いことを言うだろうって期待されることですかね(笑)」
ドラマ『僕たちがやりました』(フジテレビ系 毎週火曜夜9時~)では20代のパイセン役で、主要キャストとして出演中。
「一応、俺にできるかな~という態度は示しましたよ。でも台本読みの段階でスタッフの反応を見て、手応えは感じました(笑)。ただ視聴者の反応が悪かったなら、それはオファーしたカンテレ(関西テレビ)が悪い。その責任まで負ってくれないと困ります(笑)」
ドラマ『下町ロケット』など人気作品にも多数出演。オファーが絶えない理由を聞くと、
「まだ有名じゃないから、プロデューサーさんが自分だけが見つけた感があるんじゃないですかね(笑)。でも今は怖いもの見たさで使ってもらえている状態だと思うので、もう1回呼んでもらえたときが本当に評価されたときかなって思います」
ここ最近、俳優としても活躍する芸人が増加していることも、冷静にこう分析する。
「バラエティーのひな壇に役者さんも出ているし、コメンテーターで起用される芸人が増えていたりと、俳優もする芸人が増えたというよりも、ボーダーレスになって肩書が関係なくなってきただけじゃないですか」
もし今後、ドラマで主演のオファーが来たら?
「今回の窪田(正孝)くんを見ていても、主演って番宣も大変だし、差し入れの量なんかもすごいから無理(笑)。打ち上げのビンゴ大会では、景品でハワイ旅行とかを提供しないといけないし……。だからもしオファーがあって、差し入れや打ち上げの景品が今までどおり電動歯ブラシでよいなら考えます(笑)」