「別件逮捕ですやん。本筋の8億円のほうを徹底的にやって、巨悪を暴かんと意味ないんと違うか?」
今年4月にオープンするはずだった学校法人森友学園の『瑞穂の國記念小學院』近くの住民は言い放った。
この小学校開設のため、国有地の8億円値下げがあった問題が2月に噴出。大阪地検特捜部は7月31日夜、前理事長の籠池泰典容疑者(64)と妻・諄子容疑者(60)を国の補助金およそ5600万円をだまし取ったとする詐欺容疑で逮捕した。値引きの真相は闇の中のままだ。
森友学園に連なる学校はいま、どうなっているのか。
系列の社会福祉法人肇國舎『高等森友学園保育園』は大阪市の業務停止命令を受けて6月末に事実上、閉園となった。最後に残った36人の園児のうち、31人は別の保育所へ転園し、残る5人は幼稚園に移ったという。
園児が半分以下に減った
孫が別の保育所へ転園したという初老の男性が語る。
「この保育園にもマスコミがぎょうさん来てなぁ。園児も保育士さんも通えなくなったんや。前は窓を開けてやってたけど、閉めてやらなあかんようになってな」と恨み節。
園児も保育士もどんどんやめていった。転園先は市や府が斡旋してくれたという。
一方、直系の『塚本幼稚園幼児教育学園』は園児が半分以下に減った。今年4月時点で本来は158人を受け入れる見込みだったが、実際は80人にとどまり、現在は70人程度まで落ち込んでいる。
内部事情に詳しい近隣住民は「兵庫・尼崎市や大阪・豊中市などからの“遠距離通園組”ばかり残っている。地元の園児の多くは転園してしまった。バスの運転手も5人から3人に減った。派遣社員の運転手が雇い止めにあったらしいよ」と打ち明ける。
同園では園児に教育勅語を暗唱させたり、地元の祭りでは集団で小旗を振らせるなど、戦時中を想起させるような独特の教育を貫いてきた。
「さすがに“安倍首相がんばれ”の唱和は違和感が強すぎた。これだけ有名になると周囲の目が気になるので、条件の合う転園先が見つかり次第、退園する予定の園児もいると聞いている」(在阪記者)
同園が存続できるかどうかは、今秋の債権者集会で決定する見通しとなっている。
気になる情報を入手した。安倍昭恵夫人は一昨年9月、この幼稚園で講演を行っている。講演後、籠池夫妻と昭恵夫人付の官僚・谷査恵子氏、別の夫人付女性と5人で近くのレストランでランチを楽しんでいたことがわかった。昼食中、警護のSP2人は同園のスクールバスである“ネコバス”車内で待機させられていたという。
「事前に籠池さん側が予約されていました。籠池夫妻は5~6年前からの常連です。昭恵夫人はベージュのシックで目立たない服装やったけど、品がよかったですわ。特別ランチをきれいに残さず食べはってねぇ。5人で和やかに談笑されていましたわ。この日はね、例の100万円を寄付した、しないという日なんですよ」(レストランの店主)
税込み2150円の特別ランチの中身は、牛肉のステーキと有頭エビフライ、サラダ、ハムなどで多めに盛られたライスつき。昭恵夫人はなかなかの大食漢といえる。もう1度このランチを食べれば、100万円寄付の顛末を思い出すかも……。