BSスカパー!オリジナル連続ドラマ『弱虫ペダル Season2』で、前作に続き今泉俊輔役で出演する木村達成さん。2.5次元舞台はもちろん、連ドラでも活躍する注目俳優です。俳優としての新たな挑戦や、2.5次元作品にかける思いや舞台裏エピソードを聞いた『週刊女性』本誌(2017年8月22日・29日合併号)のインタビューの続きをお楽しみください。
もともとミュージカルが好きで、やってみたいという気持ちが強かった
――来年3月に、長く愛される名作ミュージカル『ラ・カージュ オ・フォール』に出演されます。ご自分で歌を歌いたいと言われたそうですね。
「そうです。僕、もともとミュージカルが好きで。だからやってみたいという気持ちは強かったので。『ラ・カージュ オ・フォール』でジャン・ミッシェル役を演じさせていただくことになって、ちょっと今ビビッてますけど(笑)。……ビビってるとかあんまり言いたくないんですけどね。とりあえず、まだ深く考えるのはやめようと思ってます(笑)」
――ボイトレを始めているんですよね?
「もう歌を練習させていただいてます。いや、難しい歌ですよやっぱり。今まで経験したものとは、また違う難しさを感じています」
――歌の練習は楽しいですか?
「楽しいです! やりたいことなんで。自分の感情や気持ちを歌で伝えられるっていうのは、楽しいです」
――不安もちょっとあるけど?(笑)
「そうですね。でもまあ、どっかでなくなるんじゃないですか。気づいたら、最初に感じていた不安とかを忘れてるようなタイプなので、僕(笑)」
たぶん僕がチャリンコに乗ったら、今泉のような走り方になるんだろうな
――BSスカパー!オリジナル連続ドラマ『弱虫ペダルSeason2』についても少し伺いたいのですが。現場でのムードメーカーになっているキャストはいます?
「僕が思ってるのは、(青木)空夢と(滝川)英治さん(笑)。英治さんは、自分で発信する面白さと、人にいじられて出せる面白さってあると思ってて。
それに気づいちゃって、僕(笑)。今までは、英治さんが自分からボケて、それをハコガクメンバーがツッコむってパターンでしたけど、違うな~と思って。英治さんをツッコミに行こうかとなと思って、年下の僕が」
――ボケてるつもりがないものにツッコむ?
「そう。それで、英治さんと空夢のボケとツッコミのフリースタイルバトルっていうのを提案してやったんですけど。とんでもない笑いが起こりました。撮影がちょっと押してて、みんなもうぐったりして、混沌(こんとん)とした空気が流れてたから、“これはダメだな~”と思って、撮影の待ち時間に、英治さんと空夢を前半戦と後半戦でボケとツッコミをスイッチして戦わせるっていう(笑)。それを見てみんな元気になりましたね(笑)」
――ドラペダのメンバーでの宴会は盛り上がりそうですね。
「全員で飲むっていうのはあんまりないですけど、盛り上がりますね。声が大きくなっちゃう人ばっかりなんで(笑)。お酒飲んでテンション上がっちゃうと」
――このドラマがきっかけで自転車の魅力に目覚めたとか?
「ハマりましたね~。1回1回ペダルを踏むごとにちゃんと地面に伝わってくれる力と、それに比例して進んでくれるという感じが、やっぱり気持ちいいですよね。だから買いました。今泉俊輔が乗っているスコットっていうメーカーのを。今泉モデルじゃないんですけどね」
――けっこうプライベートでも乗ってるんですか?
「長距離っていうほどの距離じゃないけど、15キロくらいは走ったことあります」
――稽古場まで行くとか?
「ちょっと時間に余裕があるときは。まあリフレッシュですね。景色を見ながら走るっていうのはいいですよ。風を感じられるのも気持ちいいですね。エンジョイしてます。でも、それこそ夏の現場とかだと、もう汗びちゃびちゃになっちゃうから、メイクさんに嫌な顔されるんで(笑)。それは控えてます」
――木村さんと今泉俊輔は似ているところあります?
「言動は似てないなって思いますね。でも、たぶん僕がチャリンコに乗ったら、ああいう走り方になるんだろうなって思う。やろうとしてることは一緒、みたいな」
――今泉の気持ちがわかる?
「今泉は“先頭が一番静かだ”ってよく言うんですけど、その気持ちもわかります。だから、前に人が走ってるとイライラする。そういう面では似てるんですかね」
――何かに取り組むときのストイックさとかは?
「いや、自分ではストイックなつもりはないんですけどね。でも、周りからはストイックって言われるから似てるのかなぁ。よく器用貧乏って言われますけどね、僕」
――ドラマ『弱虫ペダルSeason2』では、インターハイの3日間が重要なシーンになってくると思いますが、注目してほしい見どころは?
「思いを託しながら、金城を放つっていうシーンがあるんですけど、やっぱりそれが一番、僕的には見てほしいところですね。金城がスタートするときに、僕が“お願いしまーす!”って言って必ず背中を押すんですけど、その前からの流れが、すごく胸が熱くなるシーンというか。何回見てもグッとくるものが詰まってるので、ぜひ見てほしいです!」
“俺できてる”って思いながらやってたら、とっくに僕なんかいなくなってる
――『テニミュ』でデビューされて、数々の2.5次元舞台に出演されていますが、木村さんが思う2.5次元作品の魅力や面白さとは?
「まず、現実にありそうでありえないキャラクターになれるっていうのが魅力じゃないですか? ナチュラルなようでナチュラルじゃない、みたいなところがけっこうあるから。でも僕、そこから入ってるから、逆にナチュラルをやってみたいとも思いますけど。最近、ドラマや映画でも2.5次元作品は多いし、すごく注目されていますもんね。漫画は日本のよき文化だし、このコンテンツは素晴らしいものだと思います」
――2.5次元作品に出演するときに、役作りなどで大事にしていることは?
「原作って答えじゃないですか。で、答えがある中でやると、たぶんそれにしかならないと思うんですよ。だから、原作は行き詰まったときに見るくらいで。それまではあんまり読んだりはしないかな」
――今まで出演された作品の中で、印象深い出来事と思い出は?
「『ハイキュー!!』は立ち上げから関わらせていただいて、たくさんのことを学んだ作品です。演出家の方から言われて、いちばん“あ~深いな~”って、でもどういう意味かわかんないって思ったのは、『NARUTO-ナルト-』の児玉明子さんから受けた“木村くんは風を作ってください”っていう演出。どういうことか全くわかんなかったけど、頑張ってみようと思って。公演が終わった後とかに、児玉さんに聞きに行ったのは覚えてますね。“どうでした? どうでした?”って。児玉さんから“今日は作れてましたよ”って言われると、“こういうことなのかな?”ってまた考えたり」
――具体的なことはおっしゃらないんですね。
「そのとき僕、ダメ出しを全然もらっていなかったので、自分から聞きにいったんですよ。“もう少し、こうしたらいいとかってありますか?”って。そしたら“今のところ大丈夫ですね”って言われて。“それじゃあつまらないので、何かください!”ってお願いしたら、“そうですね、木村くんは、じゃあ風を作ってください”って。僕も最初はきょとんとしましたけど(笑)、まあ考え方は百通り以上あるなって思って」
――すごく難しいオーダーですよね。
「なんか、“僕が出てくることによって空気が変わればいいってことなのかな”っていう捉え方をしました。でも、そういう演出をもらえたことがすごく楽しかったですけどね。ひとつ上のことを言われたような感じで。アバウトなオーダーをもらうほうが、やってて楽しい」
――演出家にはけっこう自分から聞いたりするほうですか?
「聞きに行きますね。そういうタイプです」
――それはよりよくしたいという向上心?
「それもありますが、僕がやってて楽しくなるか、楽しくならないかっていうのもありますね」
――何か課題があったほうがいいんですね。
「そうですね(笑)。“俺できてる”って思いながらやってたら、とっくに僕なんかいなくなってると思うし。でも基本は楽しかったら何でもいいんです」
――ドラマの撮影でお忙しいと思いますが。プライベートなこの夏の予定は?
「行きたいところがあります! 海の中にアスレチックがあるところ……。ウォーターパーク! そこに一番行きたいですね。昨日、テレビで見て“次の休みに絶対行こう!”って思ったんですよ。あ、でも日焼け具合がスゴイから、どうしよう……。どうしたらいいんでしょうね(笑)」
<ドラマ情報>
BSスカパー!オリジナル連続ドラマ『弱虫ペダルSeason2』がいよいよ放送開始!
前作の大好評を受け、続編となる『弱虫ペダルSeason2』が8月18日(金)21時~、BSスカパー!で放送開始(毎週金曜21時放送・全13話)。#1のみ無料放送。公式ホームページ→https://www.bs-sptv.com/yowapeda/
<プロフィール>
きむら・たつなり◎1993年12月8日、東京都生まれ。A型。’12年、ミュージカル『テニスの王子様』でデビュー。ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』など2.5次元舞台で活躍。8月18日(金)より放送開始のBSスカパー!オリジナル連続ドラマ『弱虫ペダルSeason2』に今泉俊輔役で出演。2018年3~4月に日生劇場ほかで上演のミュージカル『ラ・カージュ オ・フォール 籠の中の道化たち』(http://www.tohostage.com/lacage/)に出演。
(取材・文/井ノ口裕子 撮影/森田晃博)