韓国の整形美人はなぜ同じ顔なってしまうのか?

 世界でもトップクラスの「美容整形大国」として女性から熱い視線が注がれる韓国。クリニックの軒数が多いので価格競争も激しく、安い費用で今っぽい顔になれると、世界中から外国人患者が訪れる医療観光市場になっている。ここ数年は、まるっと面倒を見てくれる「整形パックツアー」も人気で、韓国で整形する日本人も多い。

 とはいえ、韓国で良いとされる整形の完成形は、毎年、同じ顔の人が選ばれると話題の“ミスコリア顔”と言われている。しかもその韓国整形美女のひな型を作ったのは、週刊女性PRIMEでおなじみの美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長というウワサも!?

 なぜ韓国の整形美人は同じ顔になってしまうのか? また、日韓の整形に対する意識差は? 最新整形現場を詳しく知る高須院長に話を聞いた。

――まず、韓国整形界で美しい女性の顔とされるひな型は高須院長が作られたというのは本当ですか?

高須そうだよ! 韓国は昔、軍事政権で整形は弾圧されていたから、あまり研究がおおっぴらにできなかったんだよね。それで、どうしても整形をしたいという人は日本まで施術を受けに来ていて、それでつながりができたわけ

――そうだったんですね! 今の、「日本人が整形をしに韓国へ」の逆現象があったとは!

高須日本で整形した韓国の患者さんに、帰国してからはこんなアフターケアを受けなさいとか指導していたら、韓国の先生たちがみんな、“教えて!”ってなって。それで、みんなに施術法などもすべて指導したので、この『高須式ひな型』が浸透した。だから私は、韓国初の美容整形学会で最初から名誉会長だったし、その時に作った教科書が今も使われているよ!」

――では、某韓ドラ女優の顔も、某ミスの顔も、院長の存在なしでは完成しなかったかもしれないんですね。しかし、韓国の整形業界が弾圧されていたなんて、今の風潮からすると信じられないです。

高須「整形業界が完全開放されたのは、1998年から大統領を務めたキム・デジュン政権以降からだね。さらにノ・ムヒョン元大統領は、ボトックス注射をうったことも二重手術も公言していたし、ここからの整形加速っぷりは、みなさんも知っての通りです」

――韓国女性が良しとする「整形顔」の特徴はどんな感じでしょうか? また、今はどんな顔が人気ですか?

高須透き通る白い肌、小さめの高い鼻、並行二重、涙袋はふっくら。そしてふっくらしたおでこ、こめかみ、頬と、シュッととがった三角形のあご! これに限りますね。そもそも韓国は医療ドラマなどを見てもわかるように、古典を好むというか、マニュアルに沿うのが好きなんです。なので、総じて変化はないですね。強いて言えば、最近はちょっとナチュラルになりつつあるけど、全体的に同じ印象かな」

――私も、韓国男子から「韓国はみんな同じ顔にするから整形したとすぐわかるが、日本は整形にも個性を出す」と聞きました!

高須「でしょ? だから韓国では、ファッションも1つのアイテムが流行ると、その1アイテムだけが大ブレイクする。今の若いおしゃれ韓国男子なんか、み~んなディースクエアードの濃い色のデニム1択だからね!」

――かつて日本で「紺ブレとデニム」「ロン毛」が大ブレイクした頃を思い出しますね。とはいえ、ファッションはまだしも、顔は変えられないので人マネはまずいような……。

高須「それが国民性なんでしょう。でも、最近の若手韓流アーティストを見ると、それぞれ個性があるから、韓国の美の基準も徐々に変わってきてる気もする」

――韓国では整形直後でも普通に出歩く人がいるなど、あまり整形を隠さない風潮なんだと思います。しかし日本では、整形後は「ダウンタイム」といって長期間引きこもったり、整形した事実そのものを隠したがる傾向にありますが、整形に対する意識は国民性で違うと思いますか?

高須韓国でもだんだんオープンにしなくなってますよ。マインドが日本的になっているというか。とはいえ、“家族にも友人にも絶対ヒミツ!”という日本よりは、オープンだろうけどね」

――なるほど。では、日本の整形界で今はどんな顔が人気ですか?

高須「微調整、かな? もともとの顔を生かし、気になるところをケアするレベルの施術だね。以前はスーパートンガリフェイス(※編集部注:あごを鋭角にとがらせた顔)が人気だった中国でもそうだけど、今、整形の志向はナチュラルなんですよ。だから、ガッツリとプロテーゼ(※編集部注:身体の中に埋め入れる人工物のこと)を入れた鼻に幅広二重は人気ないね。タレントの写真を持ってきて、“この顔にして!”なんてオーダーもほぼないし」

――そうなんですね。それは欧米などでも同様でしょうか?

高須「でしょうね。ミランダ・カーみたいに、ちょっとファニーな可愛さが支持されたり。メイクと整形って、ある程度連動すると思うけど、世界的にナチュラル美ブームなんでしょう」

――ちなみに、あの韓国人女優のようなパンパン、ツヤツヤの肌になれるという美肌注射は、院長的にいかがでしょうか?

高須「美肌メニューはレーザーでも注射でも点滴でもいつでも人気だけど、アレは実は人工的にムクミを作ってるんだよ。みんな、塩分高いものとお酒を深夜に飲み食いしてみなよ! 翌朝、注射後の顔になれるよ!

――ギャー!! 衝撃的な事実!! 

高須「もっと簡単に体験したかったら、うつぶせ寝ね。枕に顔をべったりつけて寝るだけで、アノ顔になれますよ~」


<プロフィール>
高須克弥(たかすかつや):
1945年愛知県生まれ。高須クリニック院長。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。脂肪吸引手術など世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。金色有功章、紺綬褒章を受章。『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)、『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)、『ダーリンは70歳/高須帝国の逆襲』(Kindle版)、『行ったり来たり僕の札束』(小学館)。最新刊は『ダーリンは71歳・高須帝国より愛をこめて』(小学館)