高畑淳子

 息子の高畑裕太が強姦致傷容疑で逮捕された日からちょうど1年になる8月23日、高畑敦子が主演舞台『土佐堀川 近代ニッポン――女性を花咲かせた女広岡朝子の生涯』の制作発表記者会見に出席した。

 昨年8月26日に号泣記者会見を開いて以来、頑なに口を閉ざしていた高畑だったが、先月、同舞台のポスター撮影でマスコミを集め、騒動について初めてコメント。

“事実でない報道をご修正にならないことに疑問を感じたりいたしております。(会見で)言えないことが多かったので、寝る前は架空の人たちに話してるんですが、余計に腹が立つ”と静かな口調ではありましたが、当時の報道に対して怒りを露わにしていましたね」(前出・スポーツ紙記者)

 彼女が何に対して憤りを感じているかというと、

裕太が不起訴になった後に週刊誌何誌かが、被害女性の告白を掲載しました。それは裕太の言い分を真っ向から否定するもので、不起訴にはなりましたが、彼は疑惑を払拭することができなかったんです」(芸能レポーター)

 また事件後、テレビのワイドショーでは、裕太のネガティブエピソードばかりを紹介、

「そのため、彼の評判は地に落ち、不起訴となっても復帰はほぼ不可能になりました。高畑さんは、息子が今の状況にあるのはすべてマスコミ、特に雑誌とワイドショーのせいだと思っているようです」(前出・芸能レポーター)

 それを裏付けるように、ポスター撮影時には週刊誌、テレビは一切呼ばれていなかったという。子を思う親の気持ちがわからないでもないが……。

 とはいっても、舞台の宣伝をしないわけもいかず、この日の会見にはテレビ、雑誌を含む多くの報道陣が集まった。彼女に対する注目度の高さが伺えたが、やはり気になるのは裕太の近況。

 舞台のテーマ・内容に絡めて、なんとか裕太の話を引っ張り出そうと、報道陣はあの手この手で質問を浴びせた。

 ポスターにも綴られている作品のテーマ《うちの人生は九ツ転んで十起きます!》に絡めて「高畑さん自身はどれくらい転んでいますか?」

 という質問に対して、

「数えたことはないですけど、同じくらい転んでいるんじゃないかと思います。立ち上がるまで時間がかかりますけど、ものすごくしつこいたちなので、忘れないことは絶対に忘れないです」

 と答えた後に、記者の意図するところを感じとったのか、

“ちょっと助けてください”と周りに助けを求める場面もありました。でもその後の質問も余裕でかわしていましたね」(スポーツ紙記者)

 裕太に関する質問に関しては、事前にNGが出ていて、それでも質問する記者には関係者が制止していたのだったが、高畑が“暴挙”に及んだのは子育てに関する質問が出たときだった。

女性レポーターが“子育てもテーマとなっていますが、ご自身も子どもさんが反抗期で……”と質問したところで高畑さんはいきなりそのレポーターの口を手でふさいだんです。

 “お察しください。暴力的ですいません”と謝っていましたけれど、驚きましたね。でも、それまでの張りつめた空気がふっ飛んで、会場は笑いに包まれました」(前出・スポーツ紙記者)

 ベテラン女優の機転に圧倒されたのか、報道陣からはそれ以上の質問が出ることはなかったというが、彼女の口から裕太のことを聞けるのはいつになるのだろうか。

<文/佐々木博之>