愛し合い、一生添い遂げることを誓い合った夫婦なのに、なぜ「不倫・浮気」または「離婚」という道を選ぶ人たちがこんなにも増えたのだろうか。多くの元夫婦が離婚に至った原因を、探偵事務所の女性社長に聞いてみると「5つの理由」が浮かび上がってきたーー。
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なぜ、将来を誓い合った夫婦が離婚の道を選んでしまうのでしょうか。その理由に迫っていきましょう。私の探偵社で実施した「離婚についてのアンケート調査」(対象者は30歳から49歳の男女233人)の中で、離婚に至った理由は主に以下の5つでした。
(1)「性格が合わない」
離婚問題から調停や裁判になる際にも、多くの妻がこの「性格の不一致」を理由に挙げます。
この「性格の不一致」とはどういうことかというと、すばり「コミュニケーション不全」です。当然のことですが、人間はそれぞれ違った個性を持った存在。そもそも完全に性格が一致することはありません。
では、性格の違いをどう埋めていくか。それには、「コミュニケーション」の頻度と密度を上げていく必要があるのです。コミュニケーションさえ円滑になれば「性格が合わない」「相性が良くない」といった問題は解決し、夫婦の関係性はかなり改善するものです。
「コミュニケーション不全」を乗り越えるには、妻が夫の見方を変えていかなければなりません。夫を受け入れて、向き合い、たとえ「嫌だ」と拒否したいような部分があったとしても、見方を変える。そうすれば、関係は少しずつ修復していきます。
(2)「お金にまつわる問題(浪費や生活費不払い等)」
金銭感覚は、幼少期から身についたもの。大人になってから、それを変えていくことは一筋縄ではいきません。また悪いことに、日本では他人のお財布事情を探るのを美徳としない文化があります。そのため、付き合っている最中には、彼がどのようにお金を使う人なのか、貯金がいくらあるのかなどはわかりにくいのです。
長年染み付いてしまったお金の価値観の差を埋めていくのは、確かに大変なこと。しかし、不可能ではありません。共通の目標を持ったり、管理の仕方を工夫したりすることで、そのギャップを埋めていくことはできるのです。
(3)「家事に関する価値観が合わない」
実際のところ、家事をしっかりやる妻からは夫が離れていかない傾向にあります。そして、たとえ一度離れてしまっても、戻ってくる可能性も高いです。それは男性が「今まで、俺にこんなことをしてくれた」と覚えているからです。「女性は『上書き保存』、男性は『名前を付けて保存』」などというフレーズを聞いたことはありませんか?
男性の場合、新しく好きな人ができても、これまでの女性の思い出を大切に保管しているという意味です。ですから、自身が大切にされた印象をしっかり刻み込めるような思いやりを日々伝えていくことが重要です。それが形として見えやすいのが「家事」なのです。忙しい暮らしの中では「たかが料理」「たかが掃除」と思ってしまうかもしれません。
しかし、夫婦の関係において「家に帰りたくなるような仕組みをつくっておくこと」は重要です。夫が帰ってきたくなる、ほっとする、居心地の良い家を作るためには「『手料理』を甘く見てはいけない」「『絶頂の時代』のツーショット写真を置く」こと。今すぐできることから、ぜひ実行してみてください。
(4)「美容・ファッションへの無関心」
カウンセリングをしていて私が大きな問題だと感じるのは「オンナを捨ててしまっている」妻があまりにも多いということです。事実、涙ながらに夫婦関係の苦しみを吐露する妻から、「女性として扱ってもらえない」「私は女として見られていない」という言葉が出てくることがあります。
カウンセリングで掘り下げていくと、子どもが生まれて「女性よりも『母親』になってしまっている」「夫に女性らしい姿を見せていない」という自身の状況に気づきます。
「自分の洋服をもう数年も買っていない」「夫といるときは、化粧もほとんどしていない」などと振り返るようになるのです。家にいるときは、特にリラックスしてしまいがち。かくいう私も、家ではダラダラしてしまいたいタイプです。
しかし、愛情の形は変わっていきますから、どうしても恋愛をしていたときのようなドキドキ感は薄れていきます。結婚をすると、一気に女性であることを忘れてしまう女性がいます。
最近では、婚活に頑張りすぎて、結婚したら燃え尽きたように自分を磨かなくなってしまう妻もいるようです。
しかし、結婚してからも夫が何度も恋に落ちるような装いに気を配ることは重要です。
とはいえ、夫婦となると、家の中で向き合う時間がほとんどです。付き合っているときのように、毎日、バッチリメイクでドレスアップではあまりにも不自然です。つまり、夫婦になると、付き合っているときとはまた別の「美容・ファッションのルール」が登場するのです。
家庭という日常の中で、どう「愛されるいい妻(オンナ)」の装いでいられるか、さらには、どのようにマンネリ感を防ぐことができるかといったことが夫婦の「美容・ファッションのルール」では重要になります。
「かわいいルームウェアを着ること」「さまざまな系統の服装を着こなすこと」などの具体的なルールから、夫が同僚に自慢したくなるような「いい妻(オンナ)」を目指していきましょう。
(5)「夫婦生活の不一致(セックスレス)」
直接的な離婚原因として挙げられているのは5番目ですが、私に相談に来るほとんどの妻たちがセックスレスの問題を抱えています。
同じ屋根の下で長く暮らしていると、徐々に家族愛へと変わり、セックスを気恥ずかしく感じるようになることもあるでしょう。また、夫婦ともに忙しく「それどころではない」と感じる妻もいるかもしれません。
しかし、セックスは肌と肌のコミュニケーションですから、最初に取り上げた「コミュニケーション不全」と同じ問題が根にはあります。夫と向き合う時間の欠如、感情を交換する機会の不足という課題があるのです。
夫婦の関係性を変えるためには
夫の気持ちが離れていく原因は、以上の5つ。「コミュニケーション不全」「お金に関する考え方の隔たり」「家事に関する価値観のズレ」「妻の女性としての魅力の欠如」「セックスレス」です。
愛される「いい妻(オンナ)」になるためには、この5つの問題を解決すればよいのです。
あなたは夫婦で過ごす日々の中で、夫に要求を続けたり、傲慢になってしまったりしませんか?
完全に夫婦間が冷え切っているように見えても、夫はあなたのことを一度は心の底から愛してくれた人。あなたの変化に必ず気づきます。そうすれば、夫自身も心が動いたり、自分もこのままではいけないと思ったりするものです。
夫婦の関係性を変えるには、「前向きなパワー」と「幸せの共感」が欠かせません。
「前向きなパワー」とは、あなたが成長しながら変わっていく力のこと。人間として成長している妻に夫も引っ張られて、変わっていくはずです。
「幸せの共感」とは、一つの物事の喜びや楽しみを分かち合うこと。夫婦で共感し合えるような幸せな場をいくつ設けられるか、それこそが重要なのです。与えることの幸せや充足感は、きっと二人の関係に良い影響をもたらすでしょう。
著者本の『夫を夢中にさせる いい妻の愛されルール』にはたくさんのルールが書いてあります。それは、夫婦をつなぐ絆となるはずです。
難しいことは考えなくても大丈夫。「いい妻(オンナ)の愛されルール」を実践してすてきになった未来の自分をイメージしながら、一緒に進んでいきましょう。
岡田真弓(おかだ・まゆみ)◎探偵会社、株式会社MR代表取締役。東京都出身。前職では不動産会社の営業や飲食店経営に従事する。家庭問題による離婚を経験し「同じ境遇で悩んでいる女性たちの力になりたい」との思いを抱く。2003年、総合探偵社・株式会社MRを設立。2008年、MR探偵学校を開校し学長に就任。現在、注目の女社長として、様々なメディアに取り上げられている。MXテレビ『そこが知りたい!オトナの好奇心!』、ラジオ日本『岡田真弓の未来相談室』に出演中。2017年『一般社団法人ライフメンター協会』を立ち上げ、より多くの人々の悩みと向き合う。