安室奈美恵が突然の引退発表! 来年のことではあるのだが、芸能界がざわついている……。
彼女は今年デビュー25周年を迎え、9月20日に40歳になったとはいえ、まだまだ脂がのっている状態。なのにいきなり引退するとは穏やかじゃない。
芸能界引退と言えば、特に歌手となると思い起こされるのは山口百恵さん。デビューして7年たった'80年3月に、三浦友和との婚約を発表。そして同時に芸能界を引退することを公表した。
同年10月に日本武道館で開催されたファイナルコンサート。最後の曲を歌い終わった後、会場のファンに深々と一礼し、持っていたマイクをステージ中央に置いたまま静かに去って行った彼女の姿は引退から40年近くたった今でも語り継がれている。
次に思い出すのは'77年の夏に突然、解散発表したキャンディーズ。人気絶頂のさなかの発表に、胸をかきむしった男性ファンは多い。
百恵さんの引退理由は結婚。キャンディーズは流行語にもなった「普通の女の子に戻りたい」だった。
その後'84年、都はるみが引退したときは、キャンディーズをパロって「普通のおばさんに戻りたい」と語り、笑いを誘ったが、今回、安室は引退の理由を一切明かしていない。
そのためいろいろと憶測を呼んでいる。
「限界説ですね。彼女のステージは途中にMCが入ることが少なく、2時間近く歌い続けるんです。音楽番組が少なくなってテレビで歌うことがなくなった今、歌う場所はライブに限られます。しかし年齢的にもこれまでのスタイルでは厳しくなるでしょうね」(音楽誌記者)
あるいは、
「燃え尽き症候群。25年間走り続けてきたけれど、来年、一粒種の長男が成人することもあって、使命が達成されたと感じているのかもしれません。お金も十分稼いだと思いますし」(前出・音楽誌記者)
だが一番彼女らしい理由と思われるのが
「“劣化”した自分、落ち目になったときの自分を見られるのが嫌なんだと思います。だから絶頂期のときに身を引くという彼女なりの美学なんじゃないでしょうか」(芸能プロ関係者)
再婚説もでているが、取材した限り、現実味を帯びた話ではなさそうだ。だが1年後の話なので、その説もまだ完全には捨てきれない。
1年後のそのとき、本人が何を語るのか。
しかし、来年以降、もう安室のダイナミックなステージを見られなくなるのだろうか。
「キャンディーズの場合、ランちゃん(伊藤蘭)とスーちゃん(田中好子)は'80年に、ミキちゃん(藤村美樹)は'83年に復帰しています。都はるみは引退3年後に音楽プロデューサーとしてですが復帰しています」(スポーツ紙記者)
芸能界での“引退”は真の意味での引退ではないところもある。
「元々芸能人になりたくて、スターになって一度スポットライトを浴びた人は、辞めても時間がたつとまたライトを浴びたくなるものですよ」(前出・芸能プロ関係者)
安室には“美学”を貫いてもらいたいと思う反面、また戻ってきてもらいたい。あるいは、松田聖子のように歌い続けてほしいと願っているファンも多いのだ。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>