リハビリテーション用のロボットがスゴイ! 進化がとまらないロボットやAI。SFの世界が現実になりつつある今、工場だけでなく日常にもロボットを見かけるようになった。介護用のロボットが注目されている中、リハビリテーション支援ロボットの実際を体験してきました。
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ケガや病気で手足が動かしにくくなった患者のためのリハビリテーション。今、その現場に最新のロボットが導入され、スゴイことになっているという。介護用ロボットはイメージがつきやすいが、リハビリテーション支援ロボットって、いったい何?
東京・中野にある総合東京病院では、今年4月からロボットと最新医療機器をあわせて13台も導入しているというので、取材をさせてもらうことに。
ここは、小中学校の体育館ほどの広さのリハビリテーション室を2つも備える病院。リハビリテーションをサポートするセラピストはなんと、中野区で250名いるとか!
その巨大リハビリ施設の中に入ってみると、広い空間でリハビリ中の患者さんとセラピストが多数。
「ここでは4台のリハビリテーション用ロボットを使用しています。患者さんの半数近くは脳卒中で手足の麻痺がある方、あとはケガや整形外科の疾患により手足を動かすリハビリが必要な方です」
と、リハビリテーション科科長の原島宏明さん。ロボットを導入して何が変わったかというと、
「足を上げる角度や左右のバランスなどのデータがとれるので、力のかけ方などが効果的に行えるようになりました。日々の成果が数値として表れるので、患者さんの励みとなっています」(原島さん、以下同)
また、患者さんの安全性・治療効果が高められるとともに、理学療法士の負担が激減したという。
「立てない方の補助は、今まで2~3人で行うこともありましたが、ロボットを導入すると1人で行えるようになりました」
ロボット利用で早期に回復した患者も
ロボットはすべて歩行を補助するもの。装着すると、足の動きをサポートする仕組みになっている。
「麻痺して動かなくなった足に、歩行の動きを覚えさせて、再び歩けるようにすることが目的です」
導入しているのは、歩行をモーターで補助する『HONDA歩行アシスト』、足の動かし方をサポートする『バイオニックレッグ』、足首の動かし方をアシストする『足首アシスト装置』、立てない方を補助し体重を軽くしてサポートする『免荷式リフトPOPO』。
「ロボットを利用したある患者さんは、制限がかかったような身体が自由になったようだ、と話してくれました」
50代で脳出血を患った男性は、器具をはずしても同じようにスタスタ歩けるようになり、早々に退院して日常生活を送っているという。
足が勝手に動き歩行がラクラク
最新式のロボットだが、弱点もあるという。
「高齢者の中には、苦手に感じる方もいらっしゃいます。機械を装着して身体を動かすということに抵抗があるのだと思います」
さらに、器具の重さが1kg~2kgあるため重く感じる人もいるという。
一方、50代には“まるで、ガンダムみたい”と、好評だとか。実際にウイーン、ガシャ、ウイーン、ガシャと電子音がするものもある。
百聞は一見にしかず! 記者も体験。『HONDA歩行アシスト』を使って、腰と股関節まわりに器具を装着した。腰につけるときにやや重みを感じたが、つけてしまうと重さは感じなくなる。
まずは、いつもどおりに歩いてデータを測定。右足のほうが弱く、左右のバランスが悪いようだ。そのため、右足の出力を強くして、アシスト開始!
すると……うわっ! 右足のほうが、ぐいぐい前に出る感じ。腰につけたロボット装置から介助する動きがあり、自然と歩行がスムーズになるのだ。
次は、『免荷式リフトPOPO』を体験。腰から足にハーネスを装着し、イスに座ると……グググーッとロボットが立たせてくれる。そこから歩行を始めるが、体重が軽くなり、無重力空間を歩いているよう。
「今、体重を20%軽くしています」
ここでは、さらに乗用車で世界的に名の知られているトヨタが開発した大型の最新式ロボット『トヨタウェルウォーク』を関東でいちばん最初に導入する予定だという。
1人でも多くの患者が回復し、日常生活に復帰するための支援ロボットの必要性と、今後の開発進化に期待!