「美智子さまの“エレガンス”の根源には“お相手を思いやる心”があります」
60年以上の皇室取材歴を持ち、『週刊女性』でもおなじみのジャーナリスト・渡邉みどりさんはそう話す。
今年9月に記念すべき40冊目の著書『美智子さまに学ぶエレガンス』(学研プラス)を出版した渡邉さん。
同年代として長年取材してきたからこそわかる美智子さまの“気品”の「秘密」を明かしてくれた。
「聖心女子大学の2年生だった美智子さまは、昭和30年の成人の日を記念した読売新聞主催の懸賞論文『はたちのねがい』に応募総数4185通の中で2位に入賞されたのです。
それだけなら記憶に残らないものですが、入選されてから約1か月後、賞金2千円のうちの千円を東京都に寄託して恵まれない人々に社会事業寄付。残りの千円を聖心女子大学のマザーブリット学長に奨学賞金として寄付されたのです。
このころから“人のために自分に何ができるか”を考え、実行されてこられたのです」
皇室に入られたあとは“ファッション”に関しても女性に影響を与えてきた。
「昭和40年代に軽井沢でご静養中の美智子さまは、白のジャケットにグレーのパンタロンスーツといういでたちで、まだ赤ちゃんだった紀宮さまを抱っこしながら、4歳上の礼宮さまの手を引いて颯爽と歩かれていました。
ちょうどそのころに、イブ・サンローランのパンタロンスーツが世界中の女性に流行していて、いち早く取り入れた美智子さまのお姿がメディアに紹介されてからというもの、私たちのような働く女性はみんなパンタロンスーツを着るようになりました。美智子さまは私たちの“ファッションリーダー”だったのです」
「子育て」に関しても、周囲への“お心遣い”が行き渡るエピソードが。
「幼いころの礼宮さまはとてもわんぱくでいらっしゃって、当時、テレビ放映されていたアニメ『タイガーマスク』のまねをして幼稚園のお友達を押し倒して泣かせてしまったことがありました。
その話を聞いた美智子さまは、お友達のお母さまに電話で“ごめんあそばせ”と謝っていらっしゃったのです。人にご迷惑をかけてはいけないというお心遣いをされていました。
どの面においても、美智子さまは日本女性の“お手本”なのです」