金城作品初の女性主役! “欲望の解放”がテーマ
綾瀬はるかが、水曜ドラマ『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系 水曜 夜10時~)で初の主婦役に挑戦する。しかも、ふつうの主婦ではない。演じる伊佐山菜美は、家事全般は苦手だが、正義感が強く、怒らせると超キケン。主婦仲間のピンチに駆けつけ、悪を成敗するのだ。
「“キュートで明るい”と“強くてカッコいい”をあわせ持つ、日本のドラマではあまり見かけたことがない役どころです」(綾瀬)
脚本は、『SP 警視庁警備部警護課第四係』シリーズ、『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』などアクションドラマの名手・金城一紀。制作の経緯について、枝見洋子プロデューサーはこう話す。
「金城さんは以前から、女性が主人公の作品を考えていたんです。タフなヒーローに匹敵する魅力的な女性の主人公を考えたとき、演じられるのは、綾瀬さんしかいないと思いました。可愛らしいイメージの綾瀬さんですが、実は、凛(りん)とした強さ、カッコよさも垣間見えるんです。今回、“カッコよさ”の部分で、アクションにも挑戦してもらっています。
綾瀬さんの身体能力には驚きましたね。綾瀬さんに武術、カリ・シラットの指導をしている金城さんも“こんなに身体の動く女優さんは、いないんじゃないか”と、おっしゃっていました」
男性主役によるこれまでの金城作品では、爆破シーンやとび蹴りなど、派手なアクションが話題になったが、今作では足技、寝技が中心。激しさより美しさ、しなやかさが際立ったアクションに。
天涯孤独な菜美は、かつて特殊工作員として暗躍していた。しかし、家族や温かい生活を求め、名前と過去を捨てた。そして、合コンで一目惚れした伊佐山勇輝(西島秀俊)と結婚。セレブな主婦の隣人、大原優里(広末涼子)、佐藤京子(本田翼)とも仲よくなった。過去については、夫にも友達にも秘密。平穏に暮らしていたが、DV、ストーカーなど、主婦たちが抱える問題に遭遇すると、彼女のなかの“正義”が動きだす。“わたしが助けてあげようか?”と、手を差しのべ、自らの危険も顧みず、悪に突進していく。
「家庭に入り、社会における自分の存在理由がわからなくなっていたり、閉じ込められていたりする感覚を持っている専業主婦の方もいるようです。金城さんは、“欲望の解放”を今作のテーマにしています。モヤモヤしながらやり過ごしていることは誰にでもあると思いますが、菜美がその“モヤモヤ”を痛快に晴らしていきます!」(枝見P、以下同)
主婦の悩みについては、金城自身が取材を重ね、リアルさを追求している。
すがすがしい配役と相性抜群の夫婦役
『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』『東京タラレバ娘』など、お仕事ものが多い水曜ドラマ枠だが、今作は可愛らしい主婦の日常(ホームドラマ)と、息をのむようなハードなアクションが融合した笑いあり、アクションありのエンターテイメントドラマだ。
「内容はハードですが、同枠ならではの、翌日からも前向きに頑張れるような視聴感を大切にしたい。そこで、菜美の友達役のキャスティングにもこだわりました。広末さんと本田さんは、透明感があって爽やかで、見ていてすがすがしい気持ちになれます。菜美、優里、京子の3人の主婦の友情が今作の見どころですが、すごくいい空気が流れている方々で、最高の3人です!」
綾瀬、広末、本田は、共演初日から息がぴったり。空き時間にはおしゃべりに花が咲き、料理上手な広末が手作りお菓子を綾瀬にプレゼントすることも。
そして、もうひとりのキーマンが、菜美の夫・勇輝。
「構想段階では、主婦3人の物語だったのですが、金城さんが菜美の夫役の重要性を指摘してくださったんです。菜美は自分の過去を夫にも隠しているし、家の内と外では表情も違ってきます。そこで、金城さんも綾瀬さんもお仕事をしたことがあり、信頼している役者さんの西島さんにお願いしました。勇輝役が西島さんに決まった段階で物語が変わったり、膨らんでいったりした部分もあります」
大河ドラマで兄妹役だったふたりの夫婦役は、相性抜群。綾瀬は、金城にアクション指導を受ける際、西島からアドバイスをもらったという。
「初回のラストで菜美が勇輝をベッドにいざなうシーンがあったのですが、エロチックでコミカルで、アクションもあって、おふたりにしか演じられない秀逸なシーンになりました」
お仕事ものでなく、特殊な経歴を持ったヒロインの物語『家政婦のミタ』を思い出させる今作。綾瀬の新境地にも期待!
セレブ主婦たちの服装にも意味あり!
スタイリングにこだわったという菜美、優里、京子の3人のセレブ主婦のファッションは、ただおしゃれなだけではなかった!
「着ている服の色や形に、そのときの彼女たちの精神状態が表れるなどの工夫をしているんです。
また、菜美は主婦らしく、着回しもしています。例えば、第2話で着ていたTシャツを、コーデを変えて第3話でも着ているので、参考に見ていただければ」(枝見P)