舞台で輝きを放ち、生で会える(見られる)俳優が本当に仲のいい俳優を指名してトークする「生で会えるイケメンリレー対談」、通称“生イケ対談”連載。

 第20回は加藤和樹さんが佐藤隆紀さんを指名! 『週刊女性』本誌(2017年10月31日号)のスペシャル対談の続きを、たっぷりお楽しみください。

左から佐藤隆紀、加藤和樹 撮影/伊藤和幸

ステージに立ちますってときに、台詞を1個も覚えてないって夢を初めてみた

――おふたりは来年のミュージカル『マタ・ハリ』で共演予定で、加藤さんと佐藤さんはラドゥー大佐役をWキャストで演じます。加藤さんは、ビジュアル撮影のときに佐藤さんが痩せていて驚かれたそうですが。

加藤 なんか別人だったから、びっくりしちゃって、“え? どうしたの?”って。

佐藤 初出演のミュージカルで主演だった和樹くんと、同じ役をやらせてもらえるっていうので、うれしいと同時に“あ! ちょっとやせないとな”って(笑)。撮影までに3週間で7キロくらい落として。一回、和樹くんに近づこうみたいな。

加藤 その話を聞いて、その貫禄も含めてシュガー(佐藤さんのこと)の良さがあるのにと思って。シュッとしてちょっと若返っちゃったんじゃないかと(笑)。

佐藤 アハハハハ! 等身大になったんですよ(笑)。演出家の石丸さち子さんも喜んでくださって。「是非、その体重キープしてって!」って言われました(笑)。

加藤 言われちゃったんだ(笑)。

佐藤隆紀 撮影/伊藤和幸

――同じ役をやるっていうのはプレッシャーじゃないですか?

佐藤 まず、うれしいが先に来ちゃいましたね。けど、プレッシャーを感じてるんだなと思うことがあって。夢で見るんですよ。『マタ・ハリ』でステージ立ちますっていうときに“え? まだ台詞1個も覚えてない! どうしよう!”みたいな。

加藤 俺もよく見るよ(笑)。それは“あるある”。

佐藤 見ます? へ~、あるんですね。今までそういう夢を見たことないんで。

加藤 シュガーがラドゥーをやるときは、俺はアルマン(役)で20歳近く若く見えないといけないから大変なんだよ(※)。あんまりシュッとされると差がつかないから(笑)。

(※編集部注:『マタ・ハリ』で、加藤さんはアルマン役も東啓介さんとWキャストで演じる)

佐藤 アハハハハ! 大丈夫ですよ、若く見えますよ。

加藤 先に謝っておきます。迷惑かけます!

佐藤 そんなそんな。

――特に楽しみにしていることはありますか?

佐藤 僕は2人で歌うシーンが楽しみですね。

加藤 そうだね、でも同じパート歌っちゃったらごめんね(笑)。あり得るから。

佐藤 そうですよね。ラドゥーとアルマンのパートを全部入れないといけないってことですもんね。すごいですよね。

加藤 助けて!(笑) たぶん稽古場で、いっぱいいっぱいになる可能性があるので、シュガーがいてくれてホントに良かったなって思う。

佐藤 ありがとうございます。いやぁ、すごくうれしい。

――お互いに俳優としてリスペクトしているところは?

佐藤 やっぱり万能選手というか、歌っても踊っても芝居しても……。

加藤 おお? 踊れねぇぞ(笑)。『タイタニック』でも一緒に練習したじゃん。

佐藤 全然そんなことないですよ。何にでも一生懸命に取り組む姿というか、そういうのはすごいなって思いますね。僕なんか得意な歌以外は、苦手意識がすごく強いんですけど、和樹くんはそういうのを感じさせないから。

加藤 いやいや。シュガーはすごい素直なんですよ。それがやっぱり芝居にも出るし、演出を受けてるときも、吸収量がすごくある。言われたことをパッと形にできるし、そこはすごいなって思います。歌に関してはプロフェッショナルなんで教えてもらうことも多いですけど、すごく声が聞き取りやすいんですよね。口先だけでしゃべってても、声がちゃんと響いて聞こえてくるってことは、芝居においては絶対的に武器になるから。そこは見習いたいなとすごく思う。

佐藤 ありがうございます! うれしくなっちゃいますね。こういうふうに自分のことを話してもらうのって、なかなかないですから。

加藤 二人でご飯食べながら褒め合ってたら気持ち悪いけどね(笑)。

連絡はジロリアンのグループのLINEで。リーダーはもちろん和樹くん(!?)

――そもそも、おふたりが気が合ったのはどんな部分ですが? 似ているところは?

加藤 ホントに気を使わなくて済むっていうか、同級生といる感じなんですよ、クラスメート。学校帰りに「今日、ちょっとどっか寄って帰ろうぜ!」とか。

佐藤 うれしい! ありがとうございます! でも優しいところだと思いますね、共通してる部分は。

加藤 自分で言っちゃった?(笑)

佐藤 (笑)。そこはグイッといっとかないと。

加藤 俺は、恥ずかしくて自分で言えないよ(笑)。

佐藤 アハハハハ!

加藤和樹 撮影/伊藤和幸

――普段、連絡はマメにとったりしてるんですか?

加藤 共通のグループLINEがあって。

佐藤 ジロリアン(熱狂的なラーメン二郎のファンのこと)のグループLINEがあって。もちろんリーダーは和樹くんなんですけどね。

加藤 リーダーじゃないから(笑)。

――だいたい加藤さん発信なんですか?

佐藤 それはもう、ラーメン二郎には一番行ってるので(笑)。

加藤 いや違うんだよ、みんなジロリアンってグループにいながら、写真アップしてるの俺だけじゃん。何がジロリアンだよって(笑)。

佐藤 (笑)。そこで「今日行く?」「空いてるんで行きます!」みたいな感じで連絡とって。

加藤 「九州行って、二郎系のこんなお店行ったよ」とか。

佐藤 僕も九州行ったときにその店探して行って「僕も行きました!」って載せたり(笑)。

――(笑)。ラーメン繋がりなんですね。

加藤 ラーメンは好きですね。

佐藤 うちの実家はラーメン屋なんでね。福島の喜多方ラーメンなんですけど。

加藤 俺、シュガーんちのラーメンをジロリアングループの人たちに広めたね。

佐藤 そうなんですよ、みんなにけっこう食べてもらってるんですよ。

加藤 確かにめっちゃうまそうなんですよ。俺はまだ食べてないんですけど。

佐藤 実家のラーメン、あげてなかったでしたっけ? 送ってると思ってた。今度送りますんで。

加藤 ありがとうございます(笑)。

いろんなことを経験も含めて重ねてくると、自分の現実に近い理想を求めるようになる

――おふたりの恋愛観についても伺いたいんですが。30代の今はどういうタイプの女性に惹かれますか?

加藤 俺はそんなに変わってないかな。家庭的で落ち着きがある人がいい。

佐藤 昔は自分の目標をしっかり持って、ガンガン働いている女性がいいなと思っていたんですけど、今はどっちかっていうと支えてくれるような女性のほうがいいかなって思いますよね。

加藤 そういう年齢になってくるよね(笑)。

佐藤 変わってきますよね(笑)。

加藤 理想と現実っていうものが一致してくるっていうのがある。若いときに、こうだったらいいなって夢みたりとか理想を描くっていうのはすごく大事だけど、いろんなことを経験も含めて重ねてくると、より一層、自分の現実に近い理想を求めるようになるんじゃないかなって思います。

佐藤 そのとおりですよね。今の自分の環境に合った女性がいいなと思うようになってきましたね。

加藤和樹、佐藤隆紀 撮影/伊藤和幸

――じゃあ恋人との時間に求めるのは癒やしですか? 刺激ですか?

佐藤 刺激よりは癒やしですね。

加藤 二人のゆったりした時間の中で、あんまり刺激し合いたくない(笑)。

佐藤 人間的な刺激は欲しいですけどね。自分が間違ったことをしそうになったときに、「それは違うんじゃない?」って言ってくれる正しさみたいな。自分の芯をしっかり持った、人としても尊敬し合える女性がいいですね。

加藤 それは大事ですね。

――結婚願望はありますか?

加藤 まあ、なくはないですよ、そりゃあやっぱり。

佐藤 それは、もうありますよねぇ。

――理想の家庭像は?

加藤 自分の家族みたいな感じですかね。父親がしっかりしてるっていうのと、家族がみんな仲がいいってこと。子どもが大人になってもみんなで一緒にご飯に行ったりとか、やっぱりそういう関係の家族がいいなって。

佐藤 女性はやっぱり笑顔が一番素敵だと僕は思っているので、いつも女性が笑顔でいられるような家庭がいいですね。

――最後に、改めてお互いはどんな存在ですか?

佐藤 僕自身が、見て学んで伸びることのできる存在というか。ホントにいい刺激をたくさんくれる存在ですね。

加藤 いやいやいや(照れ)。ひと言でいうとやっぱり頼りになる存在ですよ。それはもういろんな面で。歌のこともそうだし、心の癒やしっていうのか、安心できるし平常心でいられることもそうだし……そんな存在ですね。

――『マタ・ハリ』もホントに楽しみですね。

加藤 めちゃめちゃカッコいいシュガーが見られますよ!

佐藤 なんでこっちのハードルを上げるの(笑)、自分のハードルじゃなく(笑)。

加藤 だって俺のハードルは上がりきってるから(笑)。とにかく頑張ります!

スペシャルQ&A【加藤和樹編】

――佐藤さんには言ってないけど、感謝していることは?

加藤 いてくれるだけでいい。なんか、それによって自分が自分でいられる感じがすごくするんですよね。恋人か? って言われそうなんですけど(笑)。ホントいつ会っても自然に笑えるし、芝居の話とかすると、お互いを刺激し合える存在だし。シュガーが思ってる以上に、俺はシュガーには救われてるっていうことですかね。『タイタニック』のときも、すごく声が出しづらいところがあって出し方を教えてもらったり、シュガーが頑張ってる姿を見て“頑張んなきゃな”って思えたし、すごく救われています。

――佐藤さんに直してほしいところは?

加藤 直してほしいというか……、やせすぎないでほしい。シュガーの良さっていうのは、ちょっと体格のいい感じだから。『マタ・ハリ』で僕とWキャストでラドゥー役のイメージがこうだからって、そこに合わせる必要ってたぶんそんなになくて。もちろん演出家が思い描いているものはあると思いますけど、シュガーのラドゥーっていうものが絶対あるから、そこはあんまり考えすぎなくてもいいんじゃないかなって、俺はすごく思っちゃいますね。

――佐藤さんのトリセツを教えてください!

加藤 トリセツっていうか、彼は笑顔を見るのが好きだって言ってます。でも、逆なんですよね。シュガーがみんなを笑顔にしてるし、シュガーがいるとみんがイイ顔になる。あんなに自然体でいられるってなかなかできないことですよ。あのほっこりする感じはシュガーがもともと持ってるものだと思うし、努力してそうなれるものでもないので。彼を嫌う人は絶対にいないと思う。あとはお風呂が好きだから、疲れてたらつからせてあげると喜ぶ(笑)。

加藤和樹 撮影/伊藤和幸

――何フェチですか?

加藤 昔はね、うなじとか隠れたところが見えることにキュンとするっていうのはありましたけど、最近は手が気になって見ますね。握手するのもそうだし、やっぱり一番最初に人と触れるところだし。特にこういう形が好きっていうのはないんですけど。手のひらからパワーが出るとかも言われるじゃないですか、だから初めて体温を感じたりとか触れたときとか、手や指先に目がいくようになってきましたね。芝居でもけっこう手の動きで表現することがあるし、その人を表していたりするから。

――今まで見た舞台作品で一番印象に残っているものは?

加藤 難しいな~。もちろん韓国で見た『マタ・ハリ』はすごく印象に残ってますけどね。やっぱりこれをどう自分たちが演じようっていうのもありますし、単純にマタ・ハリ役のオク・ジュヒョンさんの存在感というか、改めてその歌の素晴らしさ、表現力の高さっていうものがすごく突き刺さったので。だから、やっぱりこれを超えるもの、これとはまた違う『マタ・ハリ』というものをつくらないといけないなと思いました。

 観客として舞台を見るのは好きですよ。韓国でミュージカル『シラノ』も見たんですけど、シラノ役のホン・グァンホさんが本当に素晴らしくて、もう一気にファンになっちゃいました。

――今、ハマっていることは?

加藤 デトックススープですかね。スープは自分で作ります。タマネギ、キャベツ、ピーマン、セロリ、エノキ、パプリカとかの野菜をバーっと入れて、あとホールトマトをぶち込んで、スパイスは自分のお好みで。僕はハーブ系のスパイスを入れたりしますけど。それで野菜が溶けちゃうくらいに、とろっとろに煮ます。もう鍋いっぱい大量に作って、1週間はもうそれだけ食べる。

 いろいろ調べていくと、デトックススープを使った1週間のダイエットメニューがあって。2日目まではスープだけ、3日目ぐらいから徐々に果物とかも食べて、5日目ぐらいからようやく肉も一緒に食べてってやると、3キロぐらいは痩せると思います。

スペシャルQ&A【佐藤隆紀編】

――加藤さんには言ってないけど、感謝していることは?

佐藤 僕ね~、けっこう言っちゃうんですよね。だから、言ってないことってあるかな~。ホントに最初のミュージカル『タイタニック』のときに、いろいろお芝居のアドバイスをしてくれたり、僕が本番直前ですごく緊張してるときに、変な顔して笑わせてくれたりして、リラックスすることができたのですごく感謝してます。だから僕は兄貴みたいな感じに思ってる部分がありますね。けど、敬語を使って話したりしなくていいよみたいな感じもあったり。フランクに接しても怒ったりしない、ホントに優しい人なんですよ。

――加藤さんに直してほしいところは?

佐藤 彼はホントにすごいなと思うのが、ちゃんと好きなものを食べつつやせているっていう。和樹くんはラーメン二郎が大好きなんですけど、二郎なんか食べたら太るイメージがあるじゃないですか。でも二郎を食べたいって日は、他のものは食べない。それってすごくアーティスティックだなって思っていて。ただ我慢するんじゃなくて、やりたいものはやる。ちゃんと配分をしつつ、自分の欲求は満たしてるっていう。すごくプロ意識を感じるんですよね。ただ、本当にラーメン二郎が好きなジロリアンなので、食べ過ぎで身体を壊さないでくださいねって(笑)。

――加藤さんのトリセツを教えてください!

佐藤 焼き肉に行ったら、和樹くんにすべて任せてください。焼き肉奉行なんで(笑)。肉に触ろうとすると「いいから俺に任せとけ」と(笑)。初めて一緒に行ったときは、僕が年下なんで「やりますから」って言ったんですけど、「いやいや、やりますよじゃないからって」。それ以降は、焼いていただいてます! 焼き加減はちょうどいいですよ。僕もちょっとレアな感じのほうが好きなんで。焼き方の希望は聞いてもらえませんけど(笑)。

 あと、和樹くんと友達になりたかったら、最初からグイッと懐に入っていくほうが仲良くなれる。それを受け入れてくれる人だと思いますね。彼はふわふわっと来てくれるので、そのふわっと来たときにグイッと行くと距離感が縮まります(笑)。

佐藤隆紀 撮影/伊藤和幸

――何フェチですか?

佐藤 僕は笑顔が好きですね。幸せそうに笑ってる笑顔というか。笑顔が素敵な人が好きですね。だから人を笑顔にしたいっていう気持ちはすごくあります。コンサートのMCでも僕はお笑いの部分を担当することが多いので、やっぱり楽しい話をしたいと思っています。けっこう笑わせることは好きですね。いつも笑顔でいてほしいです、女性には。

――今まで見た舞台作品で一番印象に残っているものは?

佐藤 何を見るかによって違う部分もあると思うんですけど。役者さんで見たときに、ミュージカル『ダンス・オブ・ヴァンパイア』の白い老人役の石川禅さんの歌はホントにすごいなと思いました。役に入りながらしっかりとその歌を歌っていて、ちゃんと芝居を伝える部分もしっかりされていて、衝撃を受けた。歌手として役者というものを目指すのであれば、こういう役者さんになりたいなと思いましたね。

 お話としてすごく面白いなと思ったのはミュージカル『モーツァルト!』。人生を棒に振ってまで音楽に没頭してる感じというか、天才って何かがズレているというか、こうなりたいけどなれないなっていう歯がゆさを感じながら見た。(山崎)育三郎くんと(井上)芳雄さんが演じるモーツァルトの違いがちゃんと見えて、Wキャストの面白さみたいなのも感じました。

――今、ハマっていることは?

佐藤 肉体改造です。しっかり走って体重を落としたところから、今は胸板をちょっとつけたいなと思って。ベンチプレスみたいなものを買って、家で筋トレを始めてるところです。ジムまで行こうとすると、今日はちょっと疲れたからいいやみたいになっちゃうんですけど、家にあったら言い訳きかないじゃないですか。自分を追い込んでやってます(笑)。

 今も雨の日以外は、毎日走ってますよ。ジョギング程度に1時間。45分くらいずっと走ってる状態で、その前後、アップとクールダウンで15分くらい歩くっていうのをホントに毎日続けて、1日だいたい1000キロちょっと超えるぐらいのカロリーで食事制限すると、もうみるみる痩せていきます。その毎日走るっていうのが意外に楽ではないんですけど、ハマるとストイックなほうなんで、自分の身体が変わっていくのも楽しくて続いてます。

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<プロフィール>
かとう・かずき◎1984年10月7日、愛知県生まれ。A型。歌手、俳優、声優として幅広く活動。10月18日にミニアルバム『Spicy Box』を発売。今後はミュージカル『レディ・べス』(東京公演:~11月18日帝国劇場/大阪公演:11月28日~12月10日梅田芸術劇場)出演。ミュージカル『マタ・ハリ』(大阪公演:’18年1月22日~28日梅田芸術劇場/東京公演:2月3日~18日東京国際フォーラムホールC)主演。ラドゥー/アルマン2役を回替わりで演じる。

さとう・たかのり◎1986年2月5日、福島県生まれ。O型。ヴォーカル・グループLE VELVETSメンバーとして’08年デビュー。テノール担当。’15年『タイタニック』でミュージカル初出演。’16年『エリザベート』でフランツ・ヨーゼフ(オーストリア皇帝)役を好演。ミュージカル『マタ・ハリ』では加藤さんとWキャストのラドゥー大佐役で出演。現在、「LE VELVETS コンサート2017 CLASSIC D’AMOUR」ツアー中。

(取材・文/井ノ口裕子 撮影/伊藤和幸 ヘアメイク/宮内直人)