90年代デビューの女性歌手の中でも特に支持率が高く、絶対王者の風格もある歌手の安室奈美恵が、自身の40歳の誕生日に2018年9月での引退を発表した。
安室といえば、結婚・出産後も第一線で活躍し続け、変わらない歌声とパフォーマンス、美貌で人気を集めたが、今回の引退理由のひとつとして「『劣化』を嫌い決意か」という報道もある。
そんな安室と同じ90年代にデビューし、ミリオンヒットを出した代表的歌姫といえば、aiko(41)、浜崎あゆみ(39)、椎名林檎(38)、宇多田ヒカル(34)が挙げられるが、現在の彼女たちのルックスも活躍ぶりもまたそれぞれ個性的である。
今回の引退騒動と彼女たちのエイジングについて、自身も引退を考えたことがあるという、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長に話を聞いた。
――今回の安室奈美恵さんの引退報道ですが、ご自身はその理由は明らかにしていません。メディアでは、「負けず嫌いで『劣化』という言葉を嫌っていた」「絶頂期で引退という自分の美学を貫いた」「ひとり息子の成人に合わせた」「事務所トラブル」など、いろいろな憶測が出ていますが……。
高須「まだ彼女は働き盛り・女盛りの40歳だけど、アクターズスクールに入ったのが小学5年生で、スーパーモンキーズとしてデビューしたのが中学3年生でしょ? ってことはサラリーマンでいえば体感的に50歳くらいの勤務歴。それくらいなら早期リタイアする方も出てくる世代だし、普通の仕事より肉体的にも精神的にもキツい芸能界で25年も活躍したんだからさ、ボク的には“長い間お疲れ様!”って気分だね。もちろんステキな方だから残念ではあるけど」
――確かに、年齢ではなくキャリアで考えると十二分に働いた気がしますね。12歳で女優デビューした後藤久美子さんも、出産して表舞台から退く時期が早かったし、精神の成熟度が違うのかもしれませんね。
高須「そうそう。ゴクミもだけど、ファンが『待って!』って思う、一番ピークの頃に辞めるとネームバリューが高止まりするんだよね。この間のゴクミと娘さんのグラビアも、ゴクミの名前が高止まりしているからこそ、あれだけニュースになったんだと思うし」
――高止まり! 確かにそうかもしれないですね。一番輝く姿をみんなの目に焼き付けて去る、これは人気商売の芸能人にとって一番美しい幕引きな気がします。
高須「そうだよ! それに安室さんはもともとスーパーモンキーズで一緒だったMAXのグダグダ感を見てるわけでしょ? MAXのメンバーがバラエティー番組で過去の暴露話をしたりさ~。“こうはなりたくない!”なんて思っちゃったのかもよ! だから彼女は自分で自分を『レジェンド』にした。引退上手だね!」
――確かに、ここ最近では一番美しい、惜しまれての引退かもしれませんね。
高須「それに、当分彼女が出るテレビ番組やイベントは報道合戦間違いナシ、となると引退までのこの1年間で数年分の稼ぎができるでしょうし、そうなれば引退後の生活も安泰と。それに何より!」
――なんでしょう? 何よりとは!?
高須「ここで引退することによって、数年後“再デビューしようかな?”なんて思っても、隠居生活の間にアンチエイジングのためのメンテナンスも、し放題! お直しにはうってつけの期間でしょ」
高須院長が「引退」を意識したとき
――それは今回の引退報道ではなかった発想ですね! ところで、高須院長は「引退」を意識したことはありますか?
高須「もちろん、たくさんありますよ! そもそもこの仕事を始めたときは40歳で引退するつもりだったのに、その年には税金問題が浮上したでしょ?(※) 次に引退を考えたのは、奥さんが亡くなり、100億円の借金も返したし、もうすべてやることはやった、という気持ちになったとき。だけどそんな折に東日本大震災が発生し、ボランティアをしたことで今度は他人を助けるという気持ちが芽生えて、引退はしなかった。それからTwitterでもブレイクしちゃったしさ! もう引退なんかしないまま行くんじゃないか? って気持ちだね、今は」
(※編集部注:当時、事業拡大路線で税務をスタッフに任せきりにしていたところ、所得税法違反の罪になり、医師免許停止に追い込まれた)
――引退を意識するたびに何かに引き戻されるのも、また運命だったのかもしれないですね。では、理想の引退シーンはありますか?
高須「いつかどこかで、オペ中に白衣でメスを持ちながらバタリと倒れたい! 今は人生行き当たりばったりだ、って思えて、それが楽しいんだよね!」
――オペ中に倒れたら患者さんが大変です!(笑) でも院長はいつも楽しいオーラに溢れていると思います。ところで、安室さんと同じく90年代にデビューし、現在も第一線で活躍する女性歌手といえば、aikoさん、浜崎あゆみさん、宇多田ヒカルさん、椎名林檎さんが思い浮かびます。劣化知らずとして有名な安室さんに対して、この4人の印象はいかがでしょう?
高須「そもそも、安室さんは老けが目立ちにくいタヌキ顔だし、経産婦の割に体形の変化も見られないし、ライブもダンスが売りで普段の運動量も多そうなので、老ける要素が少ないと思うんだよね。対して、浜崎さんはたるみに影響するのであまり体重を増減させないほうがいいかもね。宇多田さんは藤圭子さんが母親だけあって肌もきれいだし、若い頃から少しふっくらしていたのがかえってハリに繋がっているね! あと椎名さんはコレ(写真を見ながら)……ちょこちょこメンテナンスしてないかなぁ? 元がわからない状態になっちゃってるぞ!」
――椎名さんはそんなウワサもチラホラありますね。では最後のaikoさんは?
高須「しぼんだ! 体形の変化がそれほど見られないのにしぼんだってことは、ほおがこけたりしやすいタイプなのかも。でも顔はいい意味でホリが深くないベビーフェイス系だし、これはイケますよ!」
――aikoさんがイケるとは、どんな点でしょう?
高須「老けると、まぶたとこめかみ、ほおが痩せるのね。なのでこの3点をヒアルロン酸注射で膨らませるだけで、デビュー時くらいに戻せると思うよ。膨らませれば20歳若返る顔だね!」
――膨らませればOKってすごいですね!
高須「年齢がいくと、それほど肉付きが大事なんですよ。ベスト体重より“ちょっとふっくらめかな?”くらいを意識して体形維持すると、みなさんそこそこ若さは保てると思いますよ!」
<プロフィール>
高須克弥(たかすかつや):
1945年愛知県生まれ。高須クリニック院長。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。脂肪吸引手術など世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。金色有功章、紺綬褒章を受章。『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)、『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)、『ダーリンは70歳/高須帝国の逆襲』(Kindle版)、『行ったり来たり僕の札束』(小学館)。最新刊は『ダーリンは71歳・高須帝国より愛をこめて』(小学館)