正義の味方ではない“突拍子もない女”
『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(フジテレビ系 月曜 夜9時~)は、意外にも“月9”初主演の篠原涼子が繰り広げる、痛快市政エンターテイメント。
トレードマークのロングヘアを惜しげもなくバッサリ切った篠原が演じるのは、新米女性市議の佐藤智子。転職を繰り返すフリーターの夫(田中圭)に代わって家計を支える1児の母だが、ある日突然、パートを解雇された。
就活中の彼女が目にしたのは、年収950万円という市議会議員の高額報酬。40代、学歴、資格なしでも市区町村議員の当選確率は80%超というデータ(2010年NPO法人ドットジェイピー調べ)を知り、その気になった智子は“高額報酬=家族の幸せ”と信じ、あおば市の市議会議員に立候補。手作り感あふれる選挙戦で当選し、晴れてあおば市議会議員に。
智子は市民の声と向き合い、市政にはびこる悪や社会で起きている問題を、素人目線、女性目線で痛快にぶった斬っていく。智子とともに市議会選挙を戦ったライバルを高橋一生、斎藤司(トレンディエンジェル)、市議会のドンを古田新太、ママ友を石田ゆり子がそれぞれ演じる。
「智子は、悪を成敗する清廉潔白な正義のヒロインではないんです。清く正しいだけでなく、間違うし、失敗もする。石田さんが演じる平田和美のナレーションに“世の中、突拍子もないことが起きる”とあるのですが、智子をひと言でいうと、まさに“突拍子もない女”。これをタイトルにしてもいいくらいです(笑)」
と、草ヶ谷大輔プロデューサー。
そもそも社会問題や政治に興味がないのに市議会議員に立候補するところからして突拍子もないし、第2話(10月30日放送)では、議会のドン相手に突拍子もない行動に出る。
「でも、彼女の突拍子のなさは、思いつきや勢いではない。“もっと幸せになろうよ”と、確固たる信念のもとの決断なんです。本作では、右も左もわからなかった新人市議会議員の智子が、自分の市で起きている問題、市政のおかしなことなどに直面して政治のあり方、政治家としてどうすべきかを考えていく姿を描いていますが、彼女がのし上がっていくものではありません。ヒーローものは、主人公が事件や問題を解決していきますが、本作では、智子が突拍子もない行動で乗り越えたことが周りに伝わり、結果的にヒロインとして浮かび上がってくるという構造です。“智子ならどうするか”という問題が毎回、起きますので、ぜひ、ご一緒に彼女の“突拍子もない”行動を予想してください」(草ケ谷P、以下同)
首から下げる扇風機…篠原の差し入れに一丸
篠原は初共演の石田、高橋とも気が合い、チームワークは良好。ムードメーカーは斎藤で、新人議員役の俳優たちにいつも囲まれ、いじられているという。
「篠原さんは“毎日撮影に行くのが楽しい”と、言ってくださり、現場への気遣いも申し分なく、さすが座長という感じです。
真夏にクランクインしましたが、篠原さんが、首からかける小型扇風機をスタッフ全員にプレゼントしてくださったんです。ひとつひとつに“民衆の敵”と書いたシールを貼ってくださった扇風機にスタッフは大感激。おかげで涼しく、一丸となって猛暑の撮影を乗り切れました」
無造作にまとめたミディアムヘアや登庁時のパッツン前髪、大きめなバッグと、スーツにスニーカーばきなど、智子のママさん議員スタイルも要チェック!
「物語の要所で智子が熱弁をふるうシーンがあるので、こちらもご注目を。セリフの量が多く、初回の演説シーンの撮影では、篠原さんも不安がっていましたが、撮り終えたときには、“気持ちよかった!”と」
毎回、登場する悪徳政治家、市民の生活を脅かす悪徳業者など不条理な“民衆の敵”に、智子がどう立ち向かっていくのかが気になるけれど、伏線もたくさんあるという。
「セリフやお芝居の中にいろいろなメッセージが含まれていますので、それを酌み取りながらご覧いただければ、楽しさが倍増するはずです! また、物語のラストには本当の“民衆の敵”が登場しますので、ぜひご期待ください」
コラム:リアルな選挙活動のワケ
初回に繰り広げられた、智子たち候補者の選挙活動。妙にリアルに感じた人も多いのでは?
「新人の智子の手作り選挙や各候補者の選挙活動のシーンは、選挙プランナーの松田馨さんに監修をお願いしました。松田さんは、今年の都議会選で、小池百合子都知事の“都民ファーストの会”をサポートするなど実績のある方。選挙のポスターや選挙カーなども、松田さんの指導のもとデザインして、使用しています」(草ヶ谷P)
コラム:あおば市のゆるキャラを見つけて!
智子の住む街、あおば市のゆるキャラ“あおバッタ君”にも注目!
「前半は目を凝らして見ないと発見できないかも(笑)。後半には、智子との絡みも出てきますので、早めに発見してお楽しみください!」(草ヶ谷P)