食事制限も過度な運動も必要なし。部屋をちょこっと片づけるだけで、みるみるやせていくメソッドがあるんですって! 1度スリムになると、2度とリバウンドしない魔法の片づけダイエットとは──。
なぜ片づけをするとやせる身体になるのか?
「多くの女性たちのダイエットをサポートする中で、部屋と身体はつながっていると確信したんです」
と語るのは、これまで2万人以上の女性の身体と向き合ってきた清水理恵さん。マッサージや食事法などを中心に指導してきたが、あるとき、どちらも実践しているのにまったく体重が落ちないクライアントに出会ったそう。
「原因を探っていたとき、ふとスカイプ(テレビ電話)で、おうちの中を見せてもらったんです。すると、洋服や思い出の品など、たくさんのものをため込んでいることがわかりました」
清水さん自身も過去に体重が60kgまで増えたことがあり、当時の部屋は常にゴチャゴチャだったそう。
「そこで、彼女に“部屋を片づけてみましょう”と提案。クローゼットや靴箱などを整理して、ゴミ袋6袋と、家具まで捨てることができました。すると、それまで何をやっても変わらなかった体重が、ストンと4kgも落ちたんです」
その後、同様の効果がほかのクライアントにも続出したそう。
「ダイエットは、あれこれ強制するから続かないんです。そして“今回もダメだった”と、失敗体験を潜在意識に刷り込んでしまう。この状態で新たにダイエットを始めても、“どうせ、またダメだ”というネガティブなセルフイメージが効果を阻害してしまいます」
セルフイメージを無理なく変えられるのが、部屋の片づけ。
「毎日、目にする部屋をスッキリきれいにすることで、脳は自分自身のこともきれいだと認識するんです。過去の失敗によるネガティブなイメージがすり変わって、身体にも変化があらわれるのだと考えています」
挑戦と失敗を延々と繰り返すダイエットの漂流生活に終止符を打てるかも!?
ヤセる! 部屋作りの心構え
“では、さっそく!”と、いきたいところですが、勢いにまかせて始めるのは禁物。途中で投げ出したり、リバウンドしないために、3つのポイントを確認。
(1)頑張りすぎない!
心理学では、完璧主義の人ほど挫折しやすいと言われています。やせる部屋作りでも最初からすべての部屋を片づけようとせず、無理なくできる範囲で続けることを重視しましょう。
(2)心地よい状態でやめる!
“片づけ=疲れる”と思うのは、頑張りすぎるから。このメソッドでは「疲れてきたな」と思った瞬間にやめてOK。心地いいところまでを少しずつ習慣にしていきましょう。
(3)財布からスタートする!
まずは財布で片づけの練習を。レシートはその日のうちに出し、ポイントカードは専用のカードケースへ。これを1週間続けることで、きれいな状態が脳にインプットされます。
失敗した自分と向き合ってセルフイメージをリセット!
やせる部屋作りの基本的な心構えと、初級ステップ“財布の整理”が身についたら、いよいよ片づけがスタート!
ここで、清水さんから週刊女性の読者世代に向けたアドバイスが。
「20代、30代のころは、卵胞ホルモンという女性ホルモンが代謝を上げてくれるので、ちょっと夕飯で食べる量を減らすだけでも簡単にやせられます。
ですが、40代や50代以上になると、女性ホルモンの減少や閉経の影響で、食事を減らしても運動してもやせられなくなってしまい、何をやってもダメだと苦しんでいる方が私のクライアントさんにも多くいらっしゃいます。そういう方はまず、失敗したときの自分と“対話”してみてほしいんです」
何か悩みがあるとき、女性は誰かに話を聞いてもらうだけで気持ちがスッキリ軽くなるもの。それを自分と対話して行うのだ。
「“うまくいかなかった、だから今回もどうせダメ”という方程式に対して、そんな考え方はよくないと否定するのではなく、“そうだよね、あんなにお金も時間もかけたのにやせなかったら、何をやってもダメって思っちゃうよね”と、まずは失敗した自分をしっかりと受け止めてあげるんです。そうすることで、ネガティブなセルフイメージがリセットされて、次に進むことができます。
でも、40代や50代以上には失敗したときのドロドロした気持ちを放置したままにしている方が多いですね。実はネガティブな感情って、親の気をひこうとして悪さをする子どもと同じなんです! 放置したり、無理に封じ込めたりするほど、“気づいてくれないなら、もっと嫌なことを思い出させてやろう”と、どんどん大きくなって降りかかってきます。
この状態になっていると、次から次へと新しいことにチャレンジしても、結局、自分が変わっていないので、ちょっと試して効果が出ないと“これもダメだった”と、すぐ投げ出してしまう。
そして、ますますネガティブになるという負のスパイラルに陥ってしまいます」
だからといって、常に誰かにそばにいて悩みを聞いてもらうわけにもいかない。そこで、手っ取り早く自分を受け入れる手段として有効なのが“環境を整えること”。
「家の中を片づけてスッキリさせたり、美しい花やすてきな絵画を飾って“きれいだな”と思うだけで、自分が“きれい”と言われたのと同じイメージが残る。このようなポジティブなセルフイメージ作りを積み重ねていくことで、身体にも変化があらわれてきます。
たとえすぐにやせるという結果が出なかったとしても、人生のカテゴリーの中の何かが変わります。クライアントさんからも、きれいな部屋を作ったことで“恋人ができた”“ムダ遣いが減って金運が上がった”なんて声を、たくさんいただいています。
実は私も、部屋を片づけてから体重をキープできているだけでなく、出版のご依頼をいただいたり、全国にクライアントさんができたりと仕事の幅がすごく広がって!
やっぱり自分の周りのもの(部屋)と、自分自身は連動しているなと思える劇的な変化を私自身が体験しました」
ダイエットに限らず、ひとつひとつの失敗を心の奥底に沈めたままで、そんなダメな自分としっかり向き合ってこなかったと思い当たる人も多いのでは?
金運アップなど一石二鳥の効果も期待できるとなれば、ますますトライしない手はありません!
ものを減らして体脂肪も減らす!
心の準備が整ったところで、いざ行動開始! やせる部屋作りの第一歩は、必要なものを見極めることから。実はこれが、余分な脂肪を減らすことにもつながっていくんです。
「ものも人と同じようにエネルギーを出しているので、必要以上にたくさんのものに囲まれていると、そこにいるだけで疲れてしまいます」
と話す清水さん。せっかくダイエットのためにウォーキングなど外で努力しても、ものがあふれる家に帰った途端に、モチベーションはガタ落ちなんてことも。
そんな事態から脱却するためにも、片づけでまず行うのは、ものを減らす作業。
「ただ単にものを捨てるというよりは、必要なものを見極めることが大切。体脂肪も、女性は20%、男性だと15%は生命維持のために必要です。それを洋服で考えるなら、普段よく使っている3割にあたります。あとの7割は、“いつか使うだろう”“また流行りが来るかも”と捨てられずにいるもの。
でも、その“いつか”は結局来ないことが多いんですよね(笑)。そして着ない服が入ったままのクローゼットを毎日、目にしていると、脳は体脂肪も“いつか使うかもしれないから”と、ためこんでおこうという指令を出してしまいます。逆にものが少なく、常に整理整頓されていれば、思考は冴え、活動的な生活を送ることができます」
では、何を基準にして決めればいいのか?
「よく片づけの指南書に3年着なかった洋服は捨てましょうと書いてありますが、10年や20年着ていなくても、自分をすてきに見せてくれる服であれば、とっておいていいと思います。ただし“もったいないから”とか“着たくはないけど捨てるのが嫌だから”は、ため込み体質を招く原因に。そこを気持ちよくサヨナラできるようになると、身体も変わってきますよ」
ほかには、人に褒められたことのあるもの。
「洋服でもバッグでも、人に褒められると自信が持てるようになります。さほど気に入っていないものでも、残しておくことをおすすめします」
思い出の品や、壊れたり欠けたりしていないきれいなものは残すように。それ以外はダイエットのためにも処分を検討してみて。
<教えてくれたひと>
清水理恵さん◎「好きなものを食べてもやせる」を信条としたサポートで、全国の女性から支持されるダイエットアドバイザー。カウンセリングのほか、セミナーやメルマガも好評。