ウヨン 撮影/廣瀬靖士

 たくましい肉体とダイナミックなパフォーマンスから“野獣アイドル”と呼ばれ、日本デビューでも強烈な印象を残した2PM。

 それから、7年。それぞれが魅力的な個性を放ち、多くの女性の心をつかんで離さない6人の中で、ダンス、歌、トークとマルチな才能を発揮。最近では、2PMのステージ衣装も手がけるウヨン(28)が、2枚目となるソロミニアルバム『まだ僕は…』をリリースした。

――ソロデビューシングル『R.O.S.E』、初のソロミニアルバム『Party Shots』に続いて3作目になりますが、ウヨンさんご自身の中には、この順番で作品を発表する意味のようなものはあるのでしょうか?

「初めて明かしたいと思います。その理由を! 実は、特別な意味があるわけではないんです(笑)。“そのつど、そのときの気持ちに忠実にテーマを決めて、表現している”という言い方が正しいですね。あまり、計算することが好きではないし、計算したからといって、正解があるわけではないので。人生において、“これが、正解!”という答えはないと思っているんです」

――タイトル曲『まだ僕は…』は、どんな気持ちから生まれたのですか?

「いつもアルバムをつくるときには、コンサートやツアーのことも一緒に考えます。いま本当に伝えたいこと、いちばん重要なキーワードとなる単語はなにかと、考え続けていたときに、ふと浮かんできたイメージが、山や森、木。また、青い光や、いちめんのグリーンの風景。あとは、ピュアな田舎の少年や、純朴で正直な男。そして、“まだ僕は…”というフレーズだったんです」

――山や木といったイメージが浮かんできたのは、どうしてでしょうか?

「ふだんから緑がとても好きで、前作の『Party Shots』のツアーでも、ステージセットとして笹を置いていました。やはり、緑の多い場所に行くと、とても癒される気持ちになります。この、自分にとっての癒しの状態をファンのみなさんと分かち合うことができないだろうかと思ったことから、ミニアルバムが形になっていきました」

――ウヨンさんご自身が癒しを求めている?

「必要じゃないですか?(「はい」と答えた記者に)僕にも必要です(笑)」

――ちなみに、そんなウヨンさんを癒してくれる女性とは、どんな人?

「(ツアー直前の取材で)いま、そんなことを考えている場合じゃないんです! 正直、こんな女性がいいなとか、こんな人から癒してもらいたいなっていうことを考えるヒマがないくらい忙しい。でも、お答えしないといけないと思うので、ひとまず、“誰でもいいです!”(笑)」

――ありがとうございます(笑)。話を戻しますが、『まだ僕は…』では、突然、離れていった女性への変わらぬ思いを表現していますよね。

ウヨン 撮影/廣瀬靖士

「“いまでも君が好きさ”“忘れられない”という歌詞を見ると特別な人のことを歌っているように思われるかもしれませんが、実は、僕のステージに対しての思いを表現したものなんです。音楽に対しての変わらぬ情熱や気持ちを」

――なるほど! ウヨンさんの人柄を表すような、心地いいバラード曲だなと思いました。

「本当ですか? それは、よかったです。実は、こういうバラードをタイトル曲にしようと、考えたことがなかったんです。ずっと自分は、ダンス曲のようなノリのいい音楽をつくることで、みなさんに楽しさや感動を届けるイメージがあったので。

 今回は、淡々と本を読んでいるような、手紙を書いている感覚で、作詞をしている自分自身に驚かされました。それって、いままでにないことだったので。いつもは、身体を動かしながら、頭の中では、ステージでどう動くかをイメージしたりして曲づくりをしているんです」

――新たな挑戦だったんですね。今回のミニアルバムでも作詞や作曲で参加されている曲がいくつもありますが、そもそも曲づくりを始めたのは、どんなことがきっかけですか?

「誰かにプレゼントをしたい、という気持ちが出発点だったと思います。僕は、ダンスが大好きで、いちばん得意なのがダンス。でも、ダンスを包装紙で包んで贈ることはできないですよね。だから、“自分が好きな音楽、いつも聴いているようなものを自分でつくってプレゼントしてみたらどうかな”と思ったのがきっかけでした」

――プレゼントしたい、誰かとは?

「そうですね……、意味深な言い方ですよね(笑)。それは、僕が好きな、愛する人たちです。これ以上は聞かないでください(笑)。そんな人たちを思い浮かべながら、自分でつくってみたいという考えがどんどん湧いてきて、いつの間にかつくるようになっていました。

 最初に、僕が所属する事務所の代表で、プロデューサーのJ.Y.Parkさんに聴いてもらったんです。でも、当時は、世に出すなんてまったく考えていなかった。それでも、誰かには聴いてもらいたかったんですよね。そうするうちに、こうしてみなさんに聴いていただけるようになった。自分の中では、新しい世界が開けた感じでした」

――プレゼントしたかった相手がたくさん集まってくるツアーの追加公演として、12月の“初の武道館ソロステージ”が発表されましたね。

「すごく楽しみで、1日も早くステージに立ちたい気持ちなんです。あまりにもうれしくて、武道館で泣いてしまうんじゃないかと思っているくらいです。もちろん、悲しい涙じゃなくて、喜びに満ちたうれしい涙を流すんじゃないかって」

――これまで、ウヨンさんが泣いた姿をあまり見たことがない気がします。

「僕は、ステージの上で泣くのが好きじゃないんです。もちろん、泣いたことはありますよ。でも、僕の泣き顔は、美しくないんです(笑)。泣き顔が本当にブサイクになっちゃう。そのことを、メンバーに冗談っぽく言われることがあって。だから、僕は、彼らのせいで泣けないんです(笑)」

ウヨン 撮影/廣瀬靖士

――ステージで涙を見せないウヨンさんが男らしくてカッコいいなと思っていました。

「くくく、(ガッツポーズをしながら)よしっ!」

――(笑)。いつも、一歩引いたところでメンバーを見守っているイメージがあります。

「だって、みんな僕の弟みたいな感じだから(笑)」

――年齢では、年上の方もいらっしゃいますよね。

「ええ、そうですね(笑)。でも、おっしゃるとおり、いつも一歩引いた感じでメンバーを見たい、見るように努めている気がします。それは、自然とですね」

――今回の『まだ僕は…』もそうですが、ウヨンさんのつくるステージや曲は、聴く人にそっと寄り添ってくれる、そんな印象があります。とても居心地のいい空間をつくることができる方ですね。

「素敵ないい言葉を、ありがとうございます。なにか食べたいものがありますか? なんでも大丈夫ですよ(笑)! 話を戻しますが、きっと自分の中に寄り添いたいというような気持ちがあるんだと思います」

――だからこそ、12月5、6日の武道館のステージが本当に楽しみです。

「今回の武道館は、僕の人生にとって本当に大事な公演になると思うんです。ステージ構成をツアーとは変えようかとも思っているんですが、その反面、ツアーを維持したままやってみたいという欲もある。どんなものになっているか、遊びに来て確認してください」

ウヨンをもっと深掘りしちゃいます!

■曲づくりはどこですることが多い?

「作業場か自宅の半々です。『まだ僕は…』は、ひとり、家でつくりました。寂しかったです……(笑)。日本に来ているときに作業をすることもありますよ。時間があれば、カフェに行ったりもします。

 あと、スケジュールが終わって帰った、ホテルの部屋とか。いちばんアイデアが思い浮かぶのは家ですね。居心地がいいんです、すご~く。たまに、自宅に友達を呼んだりすることはあります。でも、相手の家に行くことは、あまりしないかな。外で会うことが多いですね」

■涙を見せないウヨンが泣いたステージ

「(2PMのメンバー、テギョンの入隊前最後のステージとなった)6月11日のソウルでのコンサートの幕が下りた瞬間、まるで数十回、数百回練習してきたフォーメーションダンスがピタリと合わさるように、6人同時に肩を抱き合っていたんです。事前になにか話し合ったわけでもなく、終わった後にどんな気分になるのかとか、こうなるだろうということを、みんな、まったく想像もしていなかったのに。

 同じ瞬間に、同じことを感じている。そういう状態に本当に驚かされて、涙が止まらなくなりました。いったい、この状況は、なんなんだろう? って。(韓国デビューからの)10年間のいろいろな思いがこみ上げてきて、涙が止まらず、大泣きしました」

■同じ瞬間に、同じことを感じられる6人

「僕の人生の中で、もっとも大きなエネルギー源であり、生きる原動力になっているのが2PMのメンバーの存在です。6人そろってステージに立つ日は、しばらく先になりそうですが、(6月のソウル公演以前といまとで)特に大きな気持ちの変化はありません。変わったとしたら、それは、僕たちの誰よりも先にテギョンさんが入隊したこと。ふと、何しているのかな? とか、会いたいなと思うことはありますね」

■ミニアルバムのタイトルにちなみ、〇〇を埋めて!

まだ、○○していない:「結婚していない! 大きいことじゃないといけないような気がして。結婚にしておきます。まだ、先のことですが(笑)」

まだ、〇〇していたい:「ダンスです。ずっとやり続けたい。イヤになることは、ないですね。ダンスをするぞっていう意気込みでやることではなく、気づいたら踊っている」

○○を買っていない:「なんだろう……? キーボードじゃなくて、本物のピアノ。グランドピアノじゃなくて、アップライトでもいいので。中古品も含めて調べたんですけど、ピアノって、それ自体がすごく大きいじゃないですか、だから悩んでいるところです」

■唐突ですが、スマートフォンの待ち受け画面は?

「パソコンのスピーカーと楽器をつなげてボリュームの調節ができるミキサーという音響機器があるんですが、その写真です。お気に入りなんです。自撮りもしますよ、メンバーや友達に“徹夜で曲づくりしたよ”とかって、状態を知らせるときなんかに。

 以前はほかにもをやっていたんですが、この2か月はインスタグラムでライブ動画を配信するだけ。インスタライブを通してみなさんと会話ができます。写真をあげるのをやめたのは、みなさんが、その姿のイメージに閉じ込められてしまうんじゃないかという気がして。あまり自分を限定するのは、よくないかなと思って」
 

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<ライブ情報>
初のソロ武道館公演を12月5、6日に開催!
詳細は、公式サイトhttp://www.2pmjapan.com/